☆ わくわく働くひとを応援する産業医のブログ ☆

わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

医師がオススメする歯医者の選び方5つのポイント

おはようございます。

私は定期的に歯科に行っていますが、それも4年前から。歯医者って本当に痛くて、ぶっきらぼうで、胡散臭くて、中々信頼できるところがなかったので、それまで10年以上も行っていませんでした。

でも運命的に出会うってあるんですよね〜。たまたま家族がかかった歯科医が良いということで行ってみたら「良い」!なので、特に問題なくても半年から1年ごとにいくようにしているんです。

そんな歯医者ですが、先週行った際にこの歯医者少しだけ大きくするらしいのです。もともと歯医者ひとりに衛生士数名でやっているこじんまりとした歯科クリニック。なので2席のみで診療しているようなところです。そこが、ちょうどお向かいに新設して3つに増やして診療をスタートするというのです。

 

実は、医療ってとても情報の非対称性が強い業種なのです。整形外科の先生の手術の上手い・下手は、内科の先生から見ても一切わかりません。一般的に専門家が変わった瞬間に、その技術やスキルのレベルは判断できません。医師の免許をもっているひとでさえ、判断がつかないのですから、一般のひとにはもっとわからないものなのです。

だからこそどの歯医者に診てもらうのか悩みますよね〜。

なので内科かつ心療内科で多くの患者さんと接し、また多くの医療機関の雰囲気を経験したわたしが、そんな話を院長の先生としながら、なぜこの歯科クリニックが好きなのかを分析してみました。

 

 

 

他のWEBサイトでは「良い歯医者の見分け方」はどうなっているのか?

いくつかググってみました。

「良い歯科医 見分け方」するとトップから出てくるのですが、どれも「わかるんだけど、わからない」感じなんですよね。

でも1番わたしが感じた内容と近かったのは、ここですかね。

↓↓↓

良い歯医者さんの見分け方

その他のサイトを見てみると、悪い歯科クリニックとして「必要ない治療をススメる」、「職員の態度が悪い」、「患者数に比較して医師が少ない」、「清潔感」ということがあげられています。

 

うーん。

まあ確かにね。でもそれって別に飲食店でも店員の態度が悪かったり、要らないものススメてきたり、いつになっても注文を取りにこなかったり、テーブルがキレイになっていなかったりというのと一緒ですからね。

 

 

 

Dr.山田がオススメする歯医者選びポイント1:「褒める」ことが普通!

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これは一般内科や心療内科でも患者さんを褒めて・褒めて行動変容を促すものです。糖尿病の患者さんは、普段からほかのひとよりも頑張っているのです。「スゴイです!」と褒めると次回1か月後まで頑張ってくれるものです。

良い歯医者は、歯の状態を褒めてくれます。「良く維持出来ていますね〜」とか「歯並びが良いですね〜」とか「スゴイです!」という具合に。

恥ずかしなからわたしも「虫歯もないし、とてもキレイです。この1年間しっかりと歯ブラシしていたんでしょうねぇ〜」と言われて、「あっざーす」と。笑

やや恥ずかしいですが、やっぱり気持ちが良いものです。他の患者さんにも違う視点で褒めていたり、良い所を見れる歯医者って良いですよね!

「褒める」ことが普通な歯医者は良いです!これは、歯医者に限りませんが。

 

 

 

Dr.山田がオススメする歯医者選びポイント2:「痛み」への対応が得意!

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歯医者の場合、何より患者が不安になるのが、「痛み」への対応です。歯科治療で「痛み」は二度と通院したくなくなる原因のひとつです。痛いから行きたくないというひと周りにいっぱいいますよね。

ということは、この歯科業界で「痛みを制するもの、歯科業界を制する」と言っても過言じゃないと思うんです。専門家じゃないわたしが言っていますがw

わたしが行っている歯科クリニックでは、奥歯を抜いたほうがよいと言われ、以前痛かった記憶がアタマの中を駆け巡っていたため、ずーっと嫌ですと断っていたんです。奥歯に虫歯が出来そうだと言われても、過去の痛みが「抜歯NO!」と反射的に身構えてしまうわけです。

でもそんなことを良く知っているスーパー歯医者は、微笑みながら「信じて下さい」って。「抜歯中の痛みは絶対に起こさせません!」って言い切るんですもの。山田やりました。ええ。やりました。1年半後に。笑

結果、しっかりと麻酔をかけてもらい、一瞬で奥歯を抜いたわけです。あまりの早業に「先生スゴイですね〜!全く痛くないです」と伝えると、「当たり前です!わたしは、痛みがないようにするためにどうすれば良いのか、毎日工夫しています!」と言われたのです。

そう、患者が求めているものに対応し、工夫し続けることはプロとして当たり前なのです!この瞬間にこの先生にメロメロです。

「痛み」への対応が得意な歯医者は良いです!だって完落ちしますもん。

 

 

 

Dr.山田がオススメする歯医者選びポイント3:「説明」の仕方が上手!

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やっぱり情報の非対称性のある職業って「説明」こそすべてですよね。その説明を省略する医師が多いこと、多いこと。自戒を込めて。でも説明って工夫すれば、短い時間でもしっかりと相手に伝わるんですよね。すべて伝える必要はなくて、重要なポイントがアタマに残れば大成功なわけです。

さてわたしがオススメする歯医者は、「説明」がもちろん上手。他の患者さんへの説明を聞いていてもとてもすーっと入ってくるんですよね。なぜか?

2つの方法を使っていました。ひとつ目が、「より具体性をもたせる」ということ。ふたつ目が「自分の経験や家族をもちだす」ことです。

「より具体性をもたせる」とは、患者さんがその治療を受ける際に、どんな感じになるのかをよりイメージしやすいような状態にすることです。例えば、「この治療をする際には、こういったことを順番にやっていきます。そうすると、ここが取れてすっきりするでしょう。そうなるとその後から、今問題の◯◯がなくなるんです。そしたら◯◯で☓☓しなくなることはなくなります。」ということを順番だってロジカルに説明するんです。でもロジカル過ぎてもダメ!だからふたつ目の「自分の経験や家族をもちだす」のです。これはエモーショナルなんです。

「わたしの母親も同じような状況になって、◯◯のことで悩んでいたんですよね。Aさんと同じような状態だったから◯◯をしたら、☓☓がなくなって、ホントに嬉しそうにしていました。」という感じです。

このロジカルでかつエモーショナルに説明できる歯医者って「説明」の仕方が上手!です。

 

 

 

Dr.山田がオススメする歯医者選びポイント4:「配慮」でタイミングが良い!

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「金儲け」的なイメージの強い歯科クリニックって「治療すぐにしないといけない」といった「高圧的」、「今」、「〜しなければならない」と言ったコメントが多くなり、多くの患者さんを悩ませる問題になっています。

でもわたしがオススメする歯医者はもちろん違います。先ほどの奥歯の話も1年半かけて、患者側が納得するまで考えてくれますし、待ってくれるのです。もしかしたら医学的には、タイミングは遅かったのかもしれません。でもそれでも「納得感」は違いますし、やって良かったと思えるわけです。仮に失敗しても、考える時間がたっぷり!?ありましたから、納得させられることも多くなるはずです。

こういった歯医者の配慮が患者さんを納得させ、不安の解消につなげ、タイミングを見計らって治療していく…それこそが最高の歯医者でしょう。

 

 

 

Dr.山田がオススメする歯医者選びポイント5:「キレイなスタッフ」がいない!

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実は、これが意外と大切なのでは?と思っています。「キレイなスタッフ」がいないというのは、たまたまかもしれませんが、わたしがオススメする歯科クリニックには、”残念?”ながらキレイなスタッフはいません。と言うより良くある衛生士が”マスク美人”になっていることはありません。

病院でも麻酔科のナースはなぜかキレイに見えるということは良く言われる話ですが、この「マスク美人」こそ良くない歯科クリニックの”欲”が見えているのだと先日行って思いました。

そう、歯科はあくまでも治療やチェックのために行っているのであって、キレイである必要はない。でもキレイな衛生士を揃える歯科クリニックは、やっぱり何かあるんですよね〜!?

わたしのオススメの歯科クリニックは、キレイではありませんが、素敵なスタッフばかりです。挨拶も気持ちが良いですし、パーソナルな対応が素晴らしいわけです。家族のことも覚えていますし、山田洋太をひとりのひととして見てくれるわけです。だからそもそも衛生士の方もマスクしていないし…笑

ということでたまたまキレイな衛生士がひとりいるのであれば・・・たまたまラッキーなのでしょう。でもふたり、さんにんいるのであれば、それは院長の思惑です。

「キレイなスタッフ」がいないという視点大切ではないでしょうか?

 

 

 

最後に

いかがだったでしょうか?

確かに!と思う人もいれば、他にもある!というひともいると思います。

是非、ご意見をもらいながら、わたしが診療しているクリニックにも反映させていければ良いですね!

そしてそういう素晴らしい先生と出会えると本当に嬉しいし、安心しますよね。わたしのいきつけの歯科クリニックは、言いません。だってただでさえ予約が取りづらいのに、さらに混んじゃうでしょ?と思ってみたりw

(だからクリニックの口コミサービスは流行らないと思っている

 

 

ではでは~

今日も充実した1日を。

ciao!!!

 

【アメリカの肥満】商業用ダイエットプログラム科学的に見れば、この2つがGOOD!

おはようございます!

こんな研究あるんですね〜!面白いので紹介します。

こちらアメリカの有名論文雑誌「Annals of Internal Medicine」2015年の研究から。

 

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アメリカ人の2/3が過体重・肥満だからこそ「ダイエット商材」が多い!

アメリカ人の2/3が過体重・肥満です。

アメリカ人の63%が生涯に一度は、ダイエットに取り組んで減量した経験があるようです。29%が「今」何らかのダイエットに取り組んでいます。

2014年、アメリカ人は、ダイエット・プログラムに(減量サービス)25億ドル(3,140億円)使われたと考えられています(=市場)。年3.2%の成長率です。

 

市場シェアとしては、

45%:Weight Watchers

Weight Watchers - Success Starts Here

14%:Nutrisystem

Diet Plans & Weight Loss Programs | Nutrisystem®

13%:Jenny Craig

Weight Loss Programs & Diet Plans | Jenny Craig Official Site

となっています。

 

 

 

ダイエットプログラムの中身は、「食事」×「運動」×「マインド」

ダイエット提供サービスとして、食事と運動、マインドはどのようなことを実施しているのでしょうか。

【食事】

① 低カロリー制限ダイエット:食事全体のカロリーを低くする

② 低カロリー代替食品ダイエット:食事の1つを低カロリーのものに替える

③ 低カロリー食事計画ダイエット:低カロリーのできるレシピ計画をたてる

④ 低炭水化物ダイエット:いわゆる糖質制限ダイエットです

⑤ カロリー計算ダイエット:カロリーを記録するのみ。

 

【運動】

① 運動記録:運動をどのくらいやったのか記録するのみ

② エクササイズ・プラン

③ 運動奨励

 

【マインド】

① セルフモニター

② ゴール設定

③ 課題解決

※ サポートとしてグループセッションや、オンライン・電話・メールコーチングを付けています。

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月額の費用も43ドル〜682ドルまで千差万別。

 

 

 

これらのダイエットプログラムが科学的によろしいものかどうか

月額高いダイエット商材がよいものとは限りません。どのくらい再現性があるのかは、消費者にとっては非常に大切な要素です。ダイエットプログラムが、科学的に”よろしいもの”かどうかをこの研究は調べたのです。

また注意しなければならないのは、これらのダイエットプログラムの特徴として参加しているひとが年齢37歳〜57歳、女性が多いということがあります。

これらのダイエットプログラムの研究報告から下記の5つとこのプログラムの減量の度合い、継続率、害について調べたようです。

① 何も介入しないグループ(コントロール群)

② ハンドアウトによる教育のみを提供するグループ

③ 健康教育カリキュラムを提供するグループ

④ 3回未満のトレーナーセッション

⑤ 行動変容のカウンセリング

 

また条件もしっかりとされており、

・最低1年以上実施されている

・ランダム化されている:バイアス・偏見をなくす方法のひとつ、誰が5つのグループに分けられるのかわからないようになっている。

・前向き研究されている:宣言してから研究を始めるために、研究の質が高まる

 

となっており、12週間以上の研究のみを対象に45の研究、そのうち信頼のあると考えた39の研究をチェックしたようです。

 

 

 

その結果、ダイエットプログラムとして科学的によろしいものはこの2つだ!

やっぱりこの2つか!?市場もっているトップシェア2つが有意に効果があるという結果に。

「Weight Watchers」と 「Jenny Craig」という結論です。

医師は、ダイエットを進めるのであれば、この2つのプログラムをススメてもよりかもしれないということのようです。

 

2つの効果についてです。

  • Weight Watchers (WW):コントロール・教育群と比較して、最低 2.6% 以上の減量に成功
  • Jenny Craig:コントロール・教育・カウンセリング群と比較して、最低 4.9% 以上の減量に成功

【こちらがコントロール・教育群との比較】

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Time Pointと書かれているのか、発表された研究が、何ヶ月までのものなのかということです。他のダイエットプログラムは、短期的な発表が多くなっているのが有意ではないと指摘されている事項です。

 

【こちらは、行動変容カウンセリングとの比較】

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Jenny Craig はしっかりと12ヶ月・24ヶ月の研究を発表していますね。効果も高いです。

 

 

 

このダイエットプログラムも良いかもしれないが、長期の研究がほしいというのがこれ!

発表されている各ダイエットプログラム複数を一定の基準で評価していく作業は並大抵のことではありませんが、先ほどのふたつに比べて少しだけ劣っているのがこのプログラムのようです。

  • Nutrisystem:コントロール・教育・カウセリングと比較して、3ヶ月目で最低 3.8% 以上減量に成功

3ヶ月目というような短期間でのダイエット成功は、最近のライ◯ップと似ているかもしれません。

 

その他、なとも言えないのが、以下のもの

  • Very-low-calorie programs (Health Management Resources, Medifast, and OPTIFAST)
  • Atkins
  • SlimFast

ということでした。

ちなみにこれらが全く有効ではないということを言っているのではなく、科学的に長期にわたって効果は現時点ではわからないということを言っているのです。だから商業用ダイエットプログラムもしっかりとエビデンス・科学性を発表しなさいということになるのでしょう。

 

 

アブストラクトはこれです。↓↓↓

原文も普通に手にはいりますので、是非一読を〜。

Ann Intern Med. 2015 Apr 7;162(7):501-12. doi: 10.7326/M14-2238.

Efficacy of commercial weight-loss programs: an updated systematic review.

Gudzune KA, Doshi RS, Mehta AK, Chaudhry ZW, Jacobs DK, Vakil RM, Lee CJ, Bleich SN, Clark JM.

Abstract
BACKGROUND:Commercial and proprietary weight-loss programs are popular obesity treatment options, but their efficacy is unclear.PURPOSE:To compare weight loss, adherence, and harms of commercial or proprietary weight-loss programs versus control/education (no intervention, printed materials only, health education curriculum, or <3 sessions with a provider) or behavioral counseling among overweight and obese adults.DATA SOURCES:MEDLINE and the Cochrane Database of Systematic Reviews from inception to November 2014; references identified by program staff.STUDY SELECTION:Randomized, controlled trials (RCTs) of at least 12 weeks' duration; prospective case series of at least 12 months' duration (harms only).DATA EXTRACTION:Two reviewers extracted information on study design, population characteristics, interventions, and mean percentage of weight change and assessed risk of bias.DATA SYNTHESIS:We included 45 studies, 39 of which were RCTs. At 12 months, Weight Watchers participants achieved at least 2.6% greater weight loss than those assigned to control/education. Jenny Craig resulted in at least 4.9% greater weight loss at 12 months than control/education and counseling. Nutrisystem resulted in at least 3.8% greater weight loss at 3 months than control/education and counseling. Very-low-calorie programs (Health Management Resources, Medifast, and OPTIFAST) resulted in at least 4.0% greater short-term weight loss than counseling, but some attenuation of effect occurred beyond 6 months when reported. Atkins resulted in 0.1% to 2.9% greater weight loss at 12 months than counseling. Results for SlimFast were mixed. We found limited evidence to evaluate adherence or harms for all programs and weight outcomes for other commercial programs.LIMITATION:Many trials were short (<12 months), had high attrition, and lacked blinding.CONCLUSION:Clinicians could consider referring overweight or obese patients to Weight Watchers or Jenny Craig. Other popular programs, such as Nutrisystem, show promising weight-loss results; however, additional studies evaluating long-term outcomes are needed.

ビールの売り子「トップセールス」と「新人」の3つの大きな違い

おはようございます。

昨日、ある番組で楽天のビールの売り子の違いを放送していました。トップセールスの子と新人の子の違いについてやっていました。本当に感動するくらいトップセールスの売り子が凄いんです。

 

昨日やっていたのは、仙台にあるコボスタ球場のこの子。

日経BPさん無断になりますが、これ↓↓↓

http://business.nikkeibp.co.jp/article/campanella/20140910/271069/18.jpg

 

何が凄いのか。

ひとことで言えば、『球場に来ているお客さんの目線でベストなタイミングで”そば”にいる』んです。

 

 

 

トップセールスの売り子:200杯、新人:100杯の差

球場のビールの売り子って15キロのサーバーを背負って決められた枠内を歩きまわって販売するようです。1杯700円であれば、200杯で14万円売上ていることになります。

売り子は、インセンティブ制があって、ビール1杯20円くらい、トップセールスの売り子は、試合時間前と中の全工程5時間で約3万円もらえるようです。

そんなインセンティブが「超」働いている球場のビールの売り子の超仕事術が半端無いんです。

その番組で紹介していた内容をいくつか紹介します。ビールの売り子から学んで、納得することいっぱいありました。世の中にはいろんな仕事がありますが、やっぱり本質は同じなんです。

 

news.infoseek.co.jp

 

 

 

ひとつめ:「売上=客単価 × (新規+リピーター)」がよくわかっている

当たり前ですが、客数って、新規数とリピーター数しかいません。特に球場の試合前2時間からの勝負は、主にこのリピーターを獲得するようです。

顔見知りになったお客さんと唯一しっかりと関係性を構築して、さらに球場全体どこでも売ってよい唯一のチャンスとのこと。

いかにリピーターを増やすのか、トップセールスの売り子は、「約束」と「顔見知り」のふたつで効率的に球場全体を回っていきます。新人の売り子は声を出すのみ。最初の10分で新人が1杯売っている間に、トップの売り子は10杯売っていました。

次も買ってもらうリピーターは、楽天の大ファン。必ずまた球場に応援しにきます。いつ来るのか、どのあたりに座るのかをしっかりと聴いておくんです。そうすると次の売上につながるというわけです。顧客との関係を一回きりにしない、水商売と同じようなことをしっかりとここでもやっているのです。とても大切ですよね。

球場を歩いて、顔見知りがいれば、すかさず声がけをする。彼らも毎回、同じ売り子がチャーミングな笑顔で近づいてくるわけですから、また次もくるだろうと思って、他の売り子から買いません。

こうやってしっかりと自分のファンを作り、リピーターから着実に売上を伸ばしていく営業努力は感動モノです。

タイミングもとても大事です。リピーターの方は、球場の雰囲気が好きなので、試合開始前に、かなりゆとりをもって入られます。なので、そのくつろいだタイミングでいかに声をかけていくのか、非常にマッチしているわけです。しかし新規の来場者は、ギリギリにきたり、余裕をもってきても、落ち着かないので声がけをするタイミングが非常に難しいわけです。なので断られる確率がぐんと高くなるわけです。

 

まとめ:「リピーターとタイミング」で最高の効率で売上を上げる!

 

 

 

ふたつめ:「新規団体客」への対応はベストポジションを常に陣取る

ひとりずつ新規の来場者をこなすことは、一定の確率で成果があがるものです。しかしトップセールスの売り子はそんなことはしません。最も効率的なのは、カップルや家族連れよりも、団体で来られているお客さんなのです。

理由は、シンプルで、ワイワイガヤガヤにはビールが必須だからです。テレビでは、ひとつのオーダーで18杯頼まれるわけです。かなり効率的です。

しかし新人もそれは同じことを考えているわけです。なので、新人は新規団体客が入場したと見るや、すぐさま落ち着くまもなく声がけをしてしまうわけです。これでは、まだ荷物やわくわく楽しもうとお話をしていたり、席順を決めているのにKYになってしまうわけです。もちろん断られるわけです。

トップセールスの売り子は、経験も豊富であるため、ここで「耐える」ということが出来ます。しかし単純に「耐える」ということだけでは、他の売り子にタイミングを持って行かれます。従って、彼らが落ち着くまで声がけを向こうからしてもらうちょうどよい距離感に常にいるわけです。ベスト・ポジショニング。

自分から声がけをするわけでなく、向こうから声がけをしてもらうために、常に目線を団体客に送りながら、嫌らしくなく空気のような存在で、そして彼らが落ち着いたら一気に姿を現す…まさにトップセールスの製薬企業MRさんと同じ動きをしておりました。MRも空気のような営業マンが最も医師との関係性を構築するのだと聴いたことがあります。

そして極めつけは、当然団体客のワイワイしたい気持ちをくすぐり、おじさま方とハイタッチやら乾杯の音頭まで。笑

 

まとめ:最高の距離感を意識した「ベスト・ポジショニング」で一気に刈り取る!

 

 

 

みっつめ:ホワイトスペースにも繰り返し訪問する

他の売り子が行かないエリアへ繰り返し行くのは、もちろん良いですよね。でも他の売り子が行かないってというスペースは、球場にあるのでしょうか?

実は、球場の上段の方が、階段を登ったりするのが大変ということで、中々繰り返し行くことが体力的にきついようなのです。そういったホワイトスペースがいかに大切なのかがこのトップセールスの売り子は理解しています。

来場者の心理もよくわかっています。売り子が行きたくないスペースは、来場者もビールを買うためにわざわざ下まで降りて、また上がるということがしたくないわけです。

だからこそ「繰り返し」訪問するわけです。比較的自分でビールを買ってきてしまう下段でウロウロ新規客を探すよりも、もともと行きたくない心理をもつ上段客を集中的に訪問したほうがよいわけです。

 

まとめ:ホワイトスペースに行ける体力を温存しておく

 

 

 

最後に:何より来場者と一体になることを最優先する

トップセールスの売り子と新人の売り子の大きな違いは、結局のところ『球場に来ているお客さんの目線でベストなタイミングで”そば”にいる』ということに尽きます。この”そば”というのは、単純に売るという行為だけではありません。

ホームランを打った時、逆転ランの時など、球場全体が盛り上がるときに、来場者のファンの方々と一緒に「その時」と「その場」を楽しめるのか、盛り上がれるのか、過ごせるのかということになります。

新人売り子は、なぜかホームラン打って、盛り上がっているのに「ビールはいかがですか〜?」って聴いてしまうわけです。

トップセールスの売り子は、ここぞとばかりに、ファンと一緒に「やったー〜!いえーい!」とハイタッチを繰り返し、しまいには階段のファンの方の横に座ってしまうわけです。そうやったファンのひととの交流を深め、リピーターにもつながっていくわけです。

ファンが何をもとめ、何を喜び、球場に来ているのか、そのサポートをさせてもらう…そういうスタンスが、トップセールスの売り子から醸しだされていました。

 

どんな仕事でもトップになるためには、他のひとと何かが「違う」ことを工夫して、経験して、挑戦して、修正してを繰り返しているわけです。ビールの売り子から学べることは本当に多い番組でした。

 

今週もわくわくして仕事やりましょう〜!

ciao!!!

 

 

ひととしての未熟さが病気を引き起こす

おはようございます。

子どもの成長を見ている中で、本当にそっくりだという病気2つを紹介します。これまでも繰り返しお話してきた「発達障害」と「パーソナリティ障害」です。

 

 

 

小1の子どもを見ていると発達障害とパーソナリティ障害そのもの

私は6歳女の子と1歳男の子がいますが、特に上の子を見ていると本当に外来や産業医面談で見る患者さん、社員の方にそっくりなんです。

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・【パーソナリティ障害傾向】 自分の嫌なことがあるとすぐに感情があふれる

・【ADHD傾向】       やろうと思った途中で違うことを始める

・【自閉症スペクトラム傾向】 中年男性に対して「臭い」と指をさす

これら3つに共通するのは、バランスが悪いんです。パーソナリティ障害であれば、「感情」。ADHDであれば、「時間」、自閉症スペクトラムであれば、「場の空気」というのがキーワードです。 

 

うちの子がいつもそうかというわけではないんですが、これらの要素ありますよね。

パーソナリティ障害も以前の記事で紹介したとおり… 

wakuwaku-work.hatenablog.com

 362名の境界性パーソナリティ障害(女性77%)で10年経過すると急性の症状や気分に関する症状が50%近く良くなる

バランスの悪さを「未熟性」とも呼ぶわけです。

↓↓↓

3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題:文部科学省

この文部科学省のページで発達段階で獲得するべき要素について記載があります。それぞれ社会で生きていく上で不可欠な要素になります。

  • 小学校低学年

集団や社会のルールを守る態度など、善悪の判断や規範意識の基礎の形成

自然や美しいものに感動する心などの育成 

 

  • 小学校高学年

抽象的な思考の次元への適応や他者の視点に対する理解

自己肯定感の育成、自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養

集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成

 

  • 中学校

自らの個性や適性を探求する経験を通して、自己を見つめ、自らの課題と正面から向き合う、社会の一員として他者と協力し、自立した生活を営む力の育成

 

  • 高等学校

人間としての在り方生き方を踏まえ、自らの個性・適性を伸ばしつつ、生き方について考え、主体的な選択と進路の決定、社会の一員としての自覚を持った行動

 

小学校低学年でルールを覚え、高学年で自己肯定感と集団的素養、中学校で課題と向き合い、周りと協力し、高校生でさらに方向性を決めていくということなんですよね。そうすると発達障害やパーソナリティ障害の発生場所というのは、小学校ということになります。

 

 

 

発達障害もパーソナリティ障害も環境による原因も多い

パーソナリティ障害が、母親との関係であったり、教育環境であったり、もちろん関係なくということはよく知られていますが、発達障害もこのような後天的な要因が指摘されるようになっています。

くれぐれも言いますが、もちろん生まれながらにして発達障害というケースも多くありますので、今回お話するのはあくまでも後天的な要因で発生するものと考えて下さい。

たとえば、ADHDは以前8割の遺伝率があると言われていましたが、最近の研究では6割にまで低下しています。成人ADHDでは、遺伝要因は3割と言われています。

自閉症スペクトラムも同様で、スタンフォード大学が実施した双生児研究によれば、遺伝率は4割以下と報告されています。しかも環境要因によって説明できるのが半分以上という驚くべきことを発表しています。

環境要因というと育ってきた環境ということになってしまいます。父親や母親をこれだけで責めるものではありません。彼らも苦しみながら自分たちに出来るコトをやった結果なのですから。

 

 

 

発達障害もパーソナリティ障害も社会に出て始めて苦しむ

この発達障害もパーソナリティ障害の要素があったとしても実は高校、大学まではそれほど悩みません。理由は、簡単です。高校や大学までは、そのひとの感情や理屈で全て通るからです。嫌だったら授業でなければ良い、環境が合わないなら行かなければ良い、自分にあったところに行けば良いということになるからです。

しかし働き出すと状況は一変します。

特に、コミュニケーションが取れない場合には致命的となります。1人でシゴトのできるようなものはごくごく限られているからです。ひとと協働してシゴトをしないと生きていけないのです。 

だから大学までは有名校で勉強ができたとしても社会で通用しないというのはそういうことなんですよね〜。

 

 

 

ひとは大人になっていくと成熟性を獲得していくもの

「人間の未熟性と成熟性」とはどんなものでしょうか。

学問的ではないですが、多くのひとを見てきた中で、私が考える成熟性とは、「状況によってグレーゾーンを微細に変えることの出来る柔軟性」のことです。

もちろんどんなときでも自分を貫くことをしますということでも良いのですが、当然それは強く反発される覚悟をもってやるもので、何で反発されるんだろうという??だと苦しいのです。

グレーゾーンを状況に応じて変えるというのは、言い換えると「ここだけは譲れない」白と黒がある程度はっきりしているということでもあります。この「ここだけは譲れない」部分がないひとは、依存症になりやすくなります。

お酒、タバコ、不特定多数のセックスといった依存にある方は、「ここだけは譲れない」という部分が特定のものに関してなくなってしまっているのです。だから自分の意図とは異なる働き方として風俗をして、彼氏とケンカするということが発生してしまうのです。

このフレキシブルなグレーゾーンを持つことで、非常に社会的に、組織的に生きやすくなります。またこの部分は、社会において試行錯誤をして自分のアイデンティティとともに作り上げていくものなのです。従ってより周りに配慮する必要はなく、まずは自分らしさを全面に出すことが自分にとって良いというのであれば、それはそれで良いのです。あくまでもそのひとの生き方なのですから。

しかし、グレーゾーンが狭ければ狭いほど、社会では生きにくくなります。ぶつかりますので。

 

まとめると

① フレキシブルなグレーゾーンをもつこと

② ここだけは譲れないゾーンをもつこと

③ 自分らしさを考えること

この3つを融合していく作業がまさに成熟していく過程なのです。

 

 

最後に

何でもそうだと思いますが、バランスって大切だと思います。あまりにも悪い方向へとんがりすぎるとそれはそれで今の社会生きにくいのです。もちろん将来はわかりません。その時代に求められているバランスがありますので。

 未熟性は、言い換えると成熟化できることでもあります。うちの1歳の子がどのように成長するのか約束は出来ませんが、着実にやって良いこといけないことを覚えて、日に日に成長していることを実感しております。たまたま発達障害やパーソナリティ障害のひとは、そのような状況になかったわけです。

社会が彼らを成熟させていくことはやはり必要なのだと思っています。

 

 

 

 

 

営業もナンパも外来も結局は同じ。人を動かすのは「納得感」。

おはようございます!

GW中どのようにお過ごしでしょうか?私は、ジム通いを今年から初めて、ぶよった身体を引き締めようと思っています。「心身ともに」コンディションが良い状態こそ、もっともパフォーマンス発揮できるものです。

 

今日は、人を動かす(行動変容)やり方がまさに営業やナンパでも同じだってこの記事を読んで確信したので、少し補足してみましょう。キーワードは、「納得感」です。これってどこででも重要なワードですよね。

↓↓↓

www.careertrek.com

 

 

 

タイトルは「営業時代に1億円稼いだナンパ師がビジネスで使っていた8つの説得術」

早速脱線しますが、このタイトルの書き方もバッチリですね!笑
・営業時代に1億円稼いだナンパ師
・ビジネスにも使える!?
・8つだけで良い
どれもクリックしたくなる「タイトル」です。こういうのとっても大切ですよね。
企画資料でも営業資料でも学会資料でも何でもそうですが、「興味」をもってくれないと始まりません!その後、どんなに素晴らしい内容が待っていてもです。
特に、パワポにこだわって作成する「医師」の方々、要注意です!パワポの動きよりも「こころに刺さる言葉」を考えましょう〜。
がん検診を地域で進める際にも、タイトルが何より大切です。
 
 
 

人を動かす行動変容=相手を説得する=納得感を積み重ねる

他人に対する壁がとても高いものとして「ナンパ」を例に、どのように説得していくのかを説明しています。ここでそれを乗り越えるために必要なキーワードが「納得感の積み重ね」と言っています。
話をしている相手が「納得する」から「行動にうつす」のです。
・【ナンパ】魅力的な女性を説得する → 一緒に飲みに行く
・【営業】売上を伸ばすために企業で説得する → 契約を取る
・【外来】検査や治療が必要と説得する → 検査や治療を開始する
どれも説得して、行動にうつさせるものなんです。この説得とは、「納得感を積み重ねる」ことで達成できるのです。
 
 

人を動かすその1:相手のニーズに応えることが大前提

人を動かすその2:相手の言葉を肯定する

人を動かすその3:相手が断る理由をなくす

人を動かすその4:「文脈」を作って提案する

人を動かすその5:相手のメリットを言語化する

人を動かすその6:大げさに表現する

人を動かすその7:限定感を出す

人を動かすその8:相手を優位に立たせる

 
 
 

人を動かすその1:相手のニーズに応えることが大前提

これは当たり前ですが、「相手のニーズ」というのは、中々「こちら側」にいるとわかりにくいものです。常に「相手と同じような環境に定期的になってみる」ことや「同じような状況になった時に思い出す」ことで「相手のニーズ」を意識することが不可欠です。特に断定的に「絶対にそうだ、〜はずだ」というのは危険です。
・【ナンパ】オレと一緒に飲みに行ったら楽しいはずだ
・【営業】どの企業も困っているんだからこのサービスは必要なはずだ
・【外来】患者さんは病気になりたくないから検査を受けるはずだ
相手のニーズを理解するために最もシンプルなのは、「その人に聴くこと」です。ところがナンパや営業で真実をこたえてくれませんので、試行錯誤をしていく中で、相手の表情やセールストークを修正かけていくわけです。確率的に成功する可能性を高めていく作業なしには・・・現場で繰り返し試して身を持って知らないと出来ないものとも言えます。
人を動かすためには、PDCAをまわすことを常に考えましょう。
 
 

人を動かすその2:相手の言葉を肯定する

 相手の言葉を肯定するって、当たり前のようですが、意外と否定している場合も多いと感じませんか?わたしも営業に行ったときに今でも失敗に気が付かなかったこと後悔しています。
担当者:「これって◯◯で対応しているんですが、中々上手く行かなくて…(明らかに間違っている対応方法…)」
わたし:「あああ、それですね!それは◯△◇◯◯△◇◯◯△◇◯ででして、こうしないといけないんですよ!(既に相手を否定してしまっているwww)」
難しいのが、例のように明らかに間違ったことをしている際に、どのように肯定的相手の言動を受け止めて、その上でさらによく出来ますよ〜という「追加提案」的なマインドが必要です。
相手の言葉を肯定するためには、 「そうなんですね」「なるほど」「凄いですね」という肯定的な相槌をした上で「そのとおりですね!」「勉強になります!」をはさんでいくと良い雰囲気になりますよね。
人を動かすいは、相手に気持ちよくなってもらうことは不可欠です。
 
 
 

人を動かすその3:相手が断る理由をなくす

記事にあったように、「相手のOKを引き出すには、断る理由を一つずつなくしていくのが有効です」というコメントにもあるように、事前に予想される理由をリストアップして、それに対する対応コメントを事前に用意しておきましょう。おそらく3−5個用意しておけば大丈夫です!
・営業だったら 「うちは間に合っているから大丈夫ですね」
・外来だったら「今は、シゴトで忙しくて時間がないんです!」
で断られますよね〜。それに対して「納得のある答え」を用意しておきましょう。人を動かすことって動かない理由を潰すんですよね。王道です。
 
 
 

人を動かすその4:「文脈」を作って提案する

最初この「文脈」というのが何なのか難しいかもしれませんが、要は「ストーリー」のことです。特に「親しみやすい」ものを言っています。状況やお互いの立場を言語化しながら、「なぜ今これをしないといけないのか」を納得させるのです。
「起承転結」を2行で説明するんです。「会社でもシゴトにならないくらいきつかった症状、いま治療しておくと楽ですよね〜」という感じですよね。
「◯◯だから△△。だから××するんです」という感じです。しかもそれって社会通念上そう思いますよねってものだったり、「わたしもそれ経験あるんですよ。こんなことありますよね?」というストーリーを伝えて、親しみのある提案提案をすることです。
人を動かすには、相手に親しみを感じてもらう必要があります。
 
 
 

人を動かすその5:相手のメリットを言語化する

相手のメリットを具現化することは大切です。禁煙外来で必ず成功するパターンについて説明する際に「残業が減ります」であったり、「家族からヒーローになれますよ」というコメントはささります。
人を動かすためには、今までの経験で、こんな良いことがあったことを伝える、考えてもらうことは必須です。
 
 
 

人を動かすその6:大げさに表現する

この大げさに表現するのは、相手に会話をわくわくさせるものになります。大げさに「凄い」と褒めて嫌だと思う人はいません。大げさに褒めることは、相手の緊張感や断り感を下げることに存分に発揮します。
人を動かすには、相手を大げさに褒めることはシンプルです!
 
 

人を動かすその7:限定感を出す

よくコンテンツ・マーケティングで使う手法ですよね。「今だから…」、「30日限定」、「ここだけの話」、「他の人には言わないで下さい」、「特別に…しました」、「折角ここまで…」というようなスペシャル感を出すことは人を動かすことに有効ですよね。限定感は昔からやっている手法のひとつです。これを会話の中にゆるーくいれると効果的です。
 
 
 

人を動かすその8:相手を優位に立たせる

結局、意思決定をコントロールすることは出来ません。常に相手をリスペクトするのは大切です。わたしは心療内科んのお師匠さんに、「患者さんが男性だったらリスペクト、女性だったらラブで接しなさい」と言われましたが、その通りにすれば、患者さんとの距離感は縮まります。
リスペクトやラブというのは、相手の気持ちに常に立って、相手を尊重することです。コントロールされているというのは、人間にとってとても不快なことですから、常に自分がコントロール出来るんだ、いつでも辞められるという感覚を醸し出すことは不可欠です。
外来だったら「今までの話を聞くとこの2つのパターンが解決策としてあるんじゃないかって思います。この2つのうちもし◯◯だったらこっち、△△だったらこっちをオススメします。でもAさんが決めることに意味があります」ということで不安感を取り除くことに成功します。
 
 
 

最後に

いやぁこの記事ホントに最高ですよね。勝手に記事使っているので、是非この記事訪れて下さい。そうするとわたしも少しはこの記事のために拡散したことになりますのでwww
 

www.careertrek.com

 
この記事の最後にもありますが、ひとつひとつはパンチ力が弱くても組み合わせていくことで最終的には強いパンチに変わっていく、成功する確率が高くなると。わたしもこの8つのうち、最低4つは取り入れて外来診療をしています!
特に、全例「相手のニーズに応えること」、「相手の言葉を肯定する」、「大げさに表現する」、「相手を優位にたたせる」は使っています。
さらに、検査をしたくない患者さん、治療開始を躊躇している患者さんに対して、「断る理由をなくす」、「メリットを言語化する」、「文脈を作る」を取り出します!インフルエンザワクチン等季節性のものは、「限定感」も使います。笑
 
外来での話になってしまいましたが、是非日常のビジネスで使って下さい!
それでは、GWわくわくしてくださいねぇ〜!!!
ciao
 
 

 

 

 

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健康診断って受けた方がよいんですか?

おはようございます。土曜日ですね!

今日は、健康診断についてお話したいと思います。これまでも多くのひとから特に日本人は、健康診断をやって早期発見・早期介入をすれば、病気は良くなる!寿命が伸びる!と信じている人多いですよね。

 

 

 

健康診断を受けましょう〜!?

日本最大級の健康保険組合協会けんぽ」のHPにはこんなトップ画面が。

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健康診断って受けるとやっぱり良いのかな〜と思うわけです。

でも面倒だったり、お金もかかるし、会社からも言われるし…

注意!)会社から健康診断を受けるのは、会社の安全配慮義務を果たすためであり、適切な業務量や内容を付与するために法律で定められている義務です。ここでは「一般的な」健診についての記事となります。法定健診は必ず受けてくださいね〜!

 

 

 

健康診断は受けないと寿命が短くなるのか!?

では本題に入って、健康診断(検診ではありません!後ほどこの違いについて説明します)は本当に意味があるものなのでしょうか?

 

2012年発表された「General health checks in adults for reducing morbidity and mortality from disease Cochrane Database Syst Rev. 2012 Oct 17;10:CD009009 PubMed PMID 23076952」この論文を見てみますと…

 

現時点での科学的な意見としては、「健康診断を受けても総死亡、心血管死亡、がん死亡は同等」と言えそうです。

「General Health Checks 」というのは、「健診」に該当するもので、「検診」ではありません。「健診」と「検診」は違うのか!?という声が聞こえてきそうですwww

そうなんです。違うんです。

 

 

 

健康診断の健診と検診は違う

・健診:健康診断の略です。漢字の通り、健康であることを前提に診断(チェック)するということです。つまり、「健康だよね」と保証するものなんです。なので、法律で定めている健康診断は、労働者が健康だよねという前提に経つものなので、こっちなんです。

・検診:漢字の通り、検査をやって診断(チェック)するというもの。検査をするということは、元々何かを疑ってチェックするわけです。例えば、がんの場合は、一定の確率で病気が発生する前提で検査を実施しますよね。なので「がん健診」ではなく、「がん検診」なんです。

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↓↓↓ちなみに論文ではここに該当します。あくまでも一般的なスクリーニングとして実施た場合とあります。

"health checks with no health checks in adult populations unselected for disease or risk factors. Health checks defined as screening general populations for more than one disease or risk factor in more than one organ system."

 

 

 

健康診断やっても死亡率・心血管死亡・がん死亡は変わらない

あちゃぁ〜。2012年ってほんの5年前のエビデンスです。

16の研究のうち、イケている14のデータ(18万人)です。9つの研究で死亡率をみていて、0.99のリスクということはほとんど変わらんっちゅう話です。また8つの研究では、心臓による死亡1.03倍、がんの死亡1.01倍という健康診断をやっても効果があがらなかったことを言ってます。

その中の1つの研究に、確かに健診をやると6年間の間に20%の新規診断がひとりあたり増えるようです。4つのうち2つの研究では、高圧薬の使用頻度が高まったようですwww

 

 

 

健康診断をある意味はないのか?

この研究だけを見れば、健康診断をやっても製薬企業と健診センターが儲かるだけでしょと思われるかもしれません。繰り返しの注意事項になりますが、この2点は抑えておいて下さい。

1.あくまでも健診であって検診ではない

→ 子宮頸がんや乳がん検診は行きましょう

2.法定健診は労働安全衛生法に定められた働く人の義務です

→ 社員の健康へ配慮する義務から企業は社員の状況を把握する義務があります。なので法定健診は必ず行って下さい。

 

 

 

最後に

最後に、わたしからのアドバイスを。

法定外の健康診断(人間ドック)が無意味かと言われると、研究からは意味がないとなっています。でも使い方があるのでは?と思っています。つまり「健診」を「検診」のような使い方をすることでより活用されるのだと思います。

つまり、漫然とフルセットで人間ドックを受けるのではなく、どんな検査するのが、自分にとって良いのか決めましょうよと。でもそれって難しいですよね。一般的には、やっぱり家族歴は超重要です。だってあなたの遺伝子にすでに「病気」を発症させる可能性のあるものが運命的に入っていますので。

乳がんのお母さんをもつ女性は、乳がん検診を。

胃がんのお父さんをもつ40歳の男性は、胃がん検診を。

 

ではでは〜。

Have a wonderful weekend!! ciao!

 

 

 

 

ここがヘンだよ日本人…でも日本良いですね。

おはようございます!

今日は、先日韓国の方と産業医面談をした際に、「なるほど」と思ったことと「社会防衛」という考え方について共有します。

 

  

 

日本の企業って言い過ぎるとクレイマー!?

その社員の方は、子どもが病気になっていたために突如会社に休みを申請したところ、突然の休みは出来ない、難しいと言われたので「病欠」を選んだ韓国の方です。今までも繰り返しそのようなことがあって有給休暇を当てようとするものの上長が渋るため、面倒になって病休を選んだということでした。

当然病休が多くなったために、産業医面談が行われたというわけです。彼女といろいろなことを話している中で、ふと彼女が言ったことが気になったわけです。

 

「日本の国って緊急の対応とか突然発生するようなものに対応するのが弱いですよね!?」

 

 

 

どこまでも均一化を望む日本国民・日本企業

日本という国は、高度経済成長を経て暗黒の20年があったにせよ世界にJAPANの印象を強く植えつけた稀有な島国だと思います。そのような中で、中間層が幅広く、所得が圧倒的に多い国民と所得が圧倒的に少ない国民をなるべく減らすような施策をずーっとやってきたわけです。

高所得者から税金ということで徴収して、低所得者に分配する仕組みがあるわけです。このようにして中間層をあえて作り上げたわけです。ここには単一国家ならではの統一性や全体最適ということが大きく影響していただろうと推察されます。これだけ領土も資源もない日本が世界に通用するためには、国民全体が一丸となって世界と戦う必要があった!?しかも経済成長まっしぐらな80年台を考えれば、単一かつ官僚的にシゴトを進めることは何も悪いことではなく、非常に効率的なやり方だったと言えるでしょう。

従って、「誰でも同じ恩恵を享受する」という考え方は、染み付いているわけです。このようなことが社会保障制度や医療制度、民間のサービスにまで「おもてなし」という名のもとに最低クォリティを担保しているわけです。

 

 

 

日本企業での制度もそうだし、子どもを生むときにも思った

話を戻して、その韓国の女性は、「日本の画一的な考え方、緊急時の対応」を子ども出産の時に感じたといいます。彼女は、初産ということもあり30時間以上にわたる難産であったのですが、確かに助産師さんやその他の医療スタッフには良くしてもらえたが、あまりにも辛すぎたために、無痛分娩に切り替えてくれという要求は、事前に言っていないからできないということで拒否されたというのです。

日本企業の制度もそうで、事前に計画的に伝えていないと対応してくれないというのです。確かに日本のあらゆるところで、韓国やアメリカと違うのは価格に応じたフレキシビリティな対応はあるでしょう。このお店は、このくらいの価格だからこのくらいのサービスレベルが見込まれるということもあり、逆にそれよりも低いとお店に文句を言うわけです。つまり対価としての価値が満たされない場合は、主張・要求することでそのギャップによって発生したネガティブな感情を解消するわけです。

もし日本人だったら、おとなしいというか「次行かなければ良いよね」ということになるだけなのです。

 

 

 

なぜ日本はこのような均一化に近い制度を導入したのか

均一化という制度、中間層を増やすという制度は、今の日本の根本です。少しずつ時代には合致してきていない部分はありますが、極めて効果の高い施策だったと言えます。

どんな効果があったのでしょうか?

わたしは、離島にいたときになんて税金が高いんだ!と思っていました。高所得者から税金を多くとってというまさに当事者だったわけです。これじゃあ日本は、高所得なひとは海外に出てしまうということを考えるだろうと思っていたのです。

しかし、「社会保障制度」の考え方を知ると一変しました。そうなんです。

「社会防衛」という考え方をみんな知らないのです。アメリカでもどこでも貧困層が暴動を起こすとターゲットは決まっています。「そう、高所得者」を狙うわけです。お金をもっている人から狙われるわけです。そう考えると社会保障制度の本質は、社会防衛であり、狙われないための保険をかけているようなものと考えるとスッキリするわけです。

わたしの家族が、久米島で襲われないためにも税金を支払って、生活保護であったり、低所得者を支援していくこのような均一化制度が成り立っているわけです。

だからこんなに治安が良いんです。凄いと思いませんか?世界でもこんなに治安が良くて、礼儀正しい国。 

制度にはメリットもあれば、デメリットもある。そのデメリットばかり目が言ってしまうのが人間です。でも本質を知るとデメリットで苛立つことも少なくなるはず。 

 

 

 

でも日本のカフェに行くととても安心する

そんなことを韓国の社員の方にお話していたら、納得されて。治安が良いことは凄いというだけでなく、5年以上も住んでいると今までの日本の悪いところだけでなく、良いところも見えてきたというのです。

日本のカフェのどこに言っても、最低限の接客態度であったり、テーブルがキレイであったりするというのです。だからどこのお店に行ってもそんなに大差ない。日本の食事も、チェーン店での食事も美味しいし、どこにいってもそんなにばらつきが高いわけではなく、むしろ美味しくて満足することが多い。そんな良さも実感しているとのこと。

 

でもやっぱりバランスが大切ということも言っていましたが、それはそのとおりですよね。今の世の中で「均一化」ばかり求めてしまうと、やはり成り立たない部分が目立ってきている気もしています。

 

なのでわれわれの世代でわれわれに合った制度・政策を作っていかないといけないですし、そのためには必ず選挙には行きましょうね。笑 

外国の方から指摘されて気がつく日本の良さと変なところ。やっぱり私は日本が好きだなぁ。

 

 

 

病院経営で大切なもの。ひとを大切にすること。笑

おはようございます!

3連続ブログ更新でアタマがハイになっていますが、皆さんどんな週末をお過ごしでしょうか?

 

さて今日はこの2日間続いているKBSでの講演会のスライドを用いて情報を共有しています。今までは「働き方」×「ヘルスケア」だったのにすみません。急に「病院経営」だなんて、だいそれたこと申して。わたしは、病院経営のプロではありませんので、そのあたりは、是非わたしの知り合いの方々を御紹介します。

 

そうんなんです。今日のお話のために、この2日、病院経営の特徴や過去20年間の環境についてお話してきたんです。今日のためです!!!

今日は病院経営でもっとも大切な資源「ひと」についてお話します。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:業務による健康被害

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2000年から簡単に調べるだけでこんなに看護師、医師の過労死って出てくるんです。中には、わたしのいた病院名もwww

多くが過重性というところに注目して下さい。24歳の若い看護師が時間外労働100時間を超えて、このままいくと患者さんの安全を守ることが出来ないって極度の不安に襲われながらシゴトをしているんです。

これって正常じゃないんです。というよりも結局は、患者さんとして病院受診をしているみなさんのリスクが非常に高いってことが言いたいんです。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:精神障害の請求と支給件数1位だぜ

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もちろん医療福祉は、非常に多くの方が働いていますので、請求数も上がって良いわけです。最も労働者数の多い業種は、卸売小売業1,057万人、2位が製造業1,039万人、そして3位が医療福祉で735万人なんです。建設業は、499万人なので、多いかもですね。

これ割ってみると、医療福祉:5万人にひとり。卸小売:17万人にひとり。建設:8万人にひとり。やっぱり多いじゃん!泣

 

 

 

病院経営で深刻な問題:過重労働って何が悪いの?

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さていよいよプロ産業医としての領域に近づいてきました。いまあるエビデンス(科学性)から考えると過重労働って「脳出血」と「心筋梗塞」といった脳心臓疾患のリスクは約3倍に増やすわけです。

だから高度経済成長期に働きまくっているメタボの父ちゃんが、朝起きたらぽっくりなーんてことあったわけです。でもリスクがなくても不整脈で若い看護師が亡くなるケースもみられているのです。

では精神障害はどうかっていうと、現段階では「わからない」というのが答えです。おそらく関係しているという論文が多いのですが、過重性というよりも業務上のミスであったり、人間関係というところの要素がインパクト大なわけです。時間外労働時間数と精神労災の分布をみても20時間以内でも結構いるんです、精神労災が。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:過重労働が続くと医療ミスが多くなる!

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そうなんですよ。過重労働って医療ミスが増えるためにあるようなものなんです。繰り返しになりますが、本人も不幸です。でもそれ以上に患者さんが不幸になるんです。だってこの有名な研究みてください。

3時間睡眠を5日間させると約40%も処理スピードもケアレスミスも増えるんです。しかも回復が悪い。3日たってもですからね。

そんな医療者にみてもらいたいですか?われわれも診たくないんです。こんな状態で、本当は。泣

 

 

 

病院経営で深刻な問題:医療事故が多いにもかかわらず日本はわかりにくい

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これは1999年にIOM(米国医療の質に関する委員会)が調査して発表した超有名なものです。アメリカの医療死亡事故年間4万件なんですって!日本は?っていうと、わからない。そう!?わからないんです。すんません。

調べても中々出てきません。あるのは厚生労働省から医療事故を調査報告する機関、日本医療機能評価機構の医療機関数274施設のものだけです。これじゃ全体像はわかりません。いまだ日本はブラックボックスのまま。ヘタするとアメリカを超えている可能性はあります。

 

 

 

病院経営で人的資源管理やってますか?というより衛生管理。

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病院の先生って産業医の先生のこと比較的馬鹿にするんですよ。笑

産業医のしごとだって?そんなのおれいつでもやっているよ。現に、やってたからな、バイトで・・・がははっみたいな。ふざけんじゃねーよ的に思うわけです。私からすれば。だから病院組織では、産業医が活動していません。断言できます。病院では産業医の活動は、登録だけしているのみで、衛生活動をしていることなんて見たことない。

病気をなおす役割を果たしているせいか、自分たちの健康には無関心。

病院組織でいち早く衛生活動の一環でやらないといけないのは、「過重性」と「意思疎通性」をどうやって仕組み化できるかということです。だから昨日言った業務改善が不可欠なんです。バージニアメイソンメディカルセンターみたいな病院プリーズなんです。

この2つってマネジメントなんでよね。マネジメント。上司が部下とコミュニケーションをとって、業務の進捗を追って、今の方向性を示して、現状を話しして、役割を確認して、部下の健康状態もチェックしてということですよね。

病院にはマネジメントは不在ですから・・・出来るわけありません。

 

 

 

病院経営だけじゃなくて、一般企業でも課題

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企業の中で、採用ってどうしてあんなに華やかなんですかね?私からすれば、しっかりやっている労務の方が本当によく会社のことを見ている。

採用ができるひとは確かに数値を追って、会社のためにしているかもしれない。でもそのあとのことを追っていませんからね。看護師紹介業が成り立つのも看護師の流動化がかなり進んだ結果です。それに伴い、これらの採用退職コストは膨大です。メンタル失調コストも。

 

 

 

やっぱりハッピーな組織は、良いよね!病院経営でも同じ。

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これも有名な雑誌から。

言うまでもないんですが、これを実現するのが大変なんですよね。わかります!

でも社員の健康に気を遣うことはできるはずです。

 

さて3連続でブログを更新しましたが、いかがだったでしょうか?

山田が、病院経営を語るのはかなり珍しいのですが、まあタイミングが合致したので。

 

それでは来週(明日)からも頑張りましょう!!!

ciao!!!

 

 

 

 

病院経営を知りたいなら、まずは取り囲む環境を見てみましょう

おはようございます!

毎週土曜日は、楽しい診療の日です。具合の悪くなっていないかいつもどきどきしながら患者さんとお話する時間がなんとも心地よいのです。

 

さて今日は昨日に引き続き、病院経営のことちょこっとお話します。本日のテーマは、「病院を取り囲む環境の変化」についてです。これもKBSで公演した資料です。

 

 

 

病院経営知りたいなら、取り囲む環境変化を見ましょう

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昨日は、病院経営3つの特徴についてお話しましたが、今日はそもそも医療ってどんな過去があったの?んで、今後どうなっていくの?というお話です。

私が勝手に考える医療の過去から考えるこの5〜10年の医療はこの3つがポイントと思っています。

1.質と効率性の向上

2.連携と技術の向上

3.地域内ポジションの明確化

全然MECEになっていませんが、お許しを。

 

 

 

過去20年間の病院を取り囲む環境の変化:病床数や患者数

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これ調べてみると面白いんですよね。やっぱりという認識ですけどね。

病院の施設数と病床数って減少してクリニックが増えているところに病院に通院する外来患者数って80万人減って、入院している患者数も13万減っているんです。でも新規入院患者数はこの20年間で1万人くらい増えているんです!

ここから何が言えるって…簡単で「病院として入院機能を最大化して、入退院を早めてきた」ことなんです。そのためには、入院中のムダをなくすことなんです。

 

そんな中、わたしが最も病院経営でやりたかったこと…それは業務改善なんです。医療者って「疲れたぁ〜」っていつも疲弊しているんです。すぐに院長や政策のせいにしたがるんです。それはダメね。

1番やらないといけないことってどうやったら残業しないように業務効率を上げるのか、どうやってムダをなくせるのかしかないんです!

今後、病院経営で求められてくるものってこういうことだと思っています。というよりこれが1番大切。なんだかんだ。

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わたしがいつも羨ましく見ているシアトルの病院。バージニアメイソンメディカルセンター。たった300床にも関わらずシアトルでの存在感はしっかりと見せて、全米トップ100に必ず入る病院です。

トヨタ生産様式を導入して、KAIZENを繰り返すんです。それはそれは、びびりますよ!

もし院長だったら、こんなことやってたなぁ。笑

 

 

 

過去20年間の病院を取り囲む環境の変化:技術革新とスキマの役割

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1960年代の血液透析の機械ってこんなものだったの知ってましたか?

ドラム缶みたいなところに血液をろ過するフィルターがあって、これじゃあ血圧の変動ハンパないんだろうなと思いながら、徐々に最新のものになっているんですね。医療機器の技術って本当に凄い。

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同時に、普及して一般化すれば、診られる透析患者さんも増えるし、適応をどんどん広げていって研究するとあっ良くなるじゃんって市場作って。一方で、腎移植の方が圧倒的に5年生存率が高いにもかかわらず、それはすすまない中で…31万人の透析患者yがいるんですよ、日本には。

これ誰が見るのって!?

最初は、腎臓内科の医師だったんでしょうけど、つきっきりでこんなにみれませんよね。だから徐々に技術を移転して、看護師だったり、臨床工学技士という職種を新しく作ったんです。スキマを埋めるために。

そうなんです。医療技術って高度化して、その後普及していくと必ず「スキマ」が生まれるんです。そのスキマを埋めるために新しい役割を作らないといけません。

最近で言えば、「医師事務」、「特定看護師」なんかはそうですよね!

 

 

 

過去20年間の病院を取り囲む環境の変化:地域内でのプレゼンスを明確化

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これって昔だったら、ある町でクリックが病床を大きくして、夢膨らませて総合病院にして、医局との関係を構築して、医師を派遣してもらう…そんなことをずっとやってきたわけです。

でももうそんな時代じゃないんです。都市部は、病院間競争。地方は、医療者確保。これが現状なんです。その中で、あなたの病院は、地域の中でどんな価値を提供しますか?って問われているんです。

そして病院を大きくすることでより優秀なひとが集まってくるわけです。そのためには、垂直方向に事業を大きくしますか?それとも地域外に出てみますか?何を捨てますか?

それこそが過去の病院を取り囲む環境を知って、今後20年に繋げる病院経営戦略だと思います。

 

わたしは個人的に、規模を拡大してこそ夢に少しでも近づけることができる。それが慢性期や介護領域であってもと思っています。って今の会社がwww

 

いやぁ〜土曜日からカタイお話で失礼しました。

それでは充実した1日お過ごしください〜!

ちなみにこれ以外にもスライドがいっぱいあるのですが、欲しい人は言ってくださいね。感想つきで。笑

 

ciao!!!

 

 

 

病院経営の特徴を3つあげなさいと言われたら…わたしはこう答えます。

最近は、充実した日々を送っていますでしょうか?

週3本はブログの記事を書こうと思っていましたが、とうとう4月にして断念か!?

 

いやいや頑張ります。今日から3連続。笑

今日は先日母校のKBSで田中滋先生のヘルスケアマネジメントという授業の中で、講演をしてきましたので、その中から一部御紹介します。

 

 

 

病院経営を考える上で必要な3つのポイント

これ勝手にわたしが考えた3つなんですが、わたし今まで産業医としても一般企業から多く相談に乗っていく中で、3つの特徴があると思ってます。

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わたしは、この3つだと思うんですよね。医療制度や病院経営の本質的な違いではなくて、ビジネスモデルを考える際に必要なことってこの3つの違いが特徴として出ているって思うんです。

 

 

病院経営の特徴(その1):労働集約型ビジネス

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これは、わたしがトレーニングを受けた沖縄県立中病院のPL/BSです。固定費ビジネスの典型的な形をしていますが、PLの中身を見てみると、人件費率や材料費率が高いことがわかります。当たり前ですが、病院は「ひと」が「価値」をもたらしているんです。

 

 

病院経営の特徴(その2):職人集団型ビジネス

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これはまだ成長していないIT企業に似ているところがあります。IT企業は、エンジニア集団が、本当にそれはそれは、医師と同じようにやりたい放題やっているところもありますよね!?

このスライドは、非常に有名な長野にある相澤病院のHPからの情報です。26職種もあるって凄くないですか?それぞれが異なる価値を患者さんに提供しているんです。そしてそれを支えるバックオフィスが1/4程度。これも特徴ですよね。

鍼灸師が2名いるのにはびっくりしました〜!

 

これはわたしが、ビジネスをする上で大切にしている図です。わたしが勝手に作りました。笑

ビジネスを大きくするために必要なことって、「素晴らしい物」を作って、「その価値を伝える」ことを高速化させることだと思っています。つまりこの図でいう「Product」と「Marketing」のバランスが非常に重要なわけです。どちらが欠けても価値を提供できないと思ってます。

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そして、その高速化を支えるのが、マネジメントであり、ファイナンシングなんだと。

マネジメントは、当然人的資源管理(Human Resource)に含まれるわけですが、それ以外にも管理というのは、人員計画管理や在庫管理、物品管理、IT管理などいっぱいあるわけです。ひとつの要素としてとても重要な役割なはずです。

このサイクルを支える真ん中にあるのが、人的資源です。「ひと」なわけです。

 

病院経営を見てみましょう。どうですか?こんなにいびつな形をした構造になっていませんか?そうなんです。マネジメントもファイナンシングもなく、人事機能も弱く、Marketingといえば、前方連携と後方連携のみ。情報発信というものをしていないんですwww(有名な病院は別ですが)

 

 

 

病院経営の特徴(その3):地域特化型ビジネス

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3つ目は、当たり前ではなくなりつつありますが、やっぱり病院経営って地域あってのことなんですよね。厚生労働省が基準病床数制度を作って、勝手に地域の中で病床を増やしたりしてはダメよ、と言っているのは当然であって、国民皆保険制度という中で、医療制度を運用しているために、勝手に地域の住民が求めているからっていう理由だけで病院を作ったらダメなわけです。地域の住民ってシンプルで、病院作って欲しい?ってきけば、作って欲しいっていうんです。公園も一緒です。でも公園にだれもいないでしょ?地方の公園は。

鴨川市青森県労働人口のうち10−20%が医療福祉に関わるシゴトなんですよ。医療って本当に地域の雇用を生むんです。これってとても大切なんです。地域の基盤を作るので。

今では、グローバルに展開する医療法人や全国に水平展開する医療法人もありますので、今後益々変わっていきますが、それでも地域があっての病院経営です。

 

 

病院経営ってこの3つが特徴なんです

もちろん病院経営と一般企業のモデルの違いをあげてくださいって言えば、これ意外にもいっぱいあります。でもこの3つってとっても大切でこれをアタマにいれておくことで病院経営をめぐることやその周辺のビジネスも理解できてくるのだと思っています。

 

とりあえず優秀なひとが医療政策を理解した上で病院経営をしたら最高の医療が提供できると思うんだけどなぁ〜。と言いながら、わたしは病院経営には今のところ関わるコトありませんので、勧誘や誘惑は勘弁して下さい。笑

 

それでは楽しい金曜日を過ごして下さい。ラストスパートですね!

ciao!!!