【社会不安障害】周りは自分が思っているよりも気にしていない
おはようございます!
昨日夕方に書いたブログ「あなたが思っているよりあなたは素晴らしい!」に似ていますが、今日は続けて心理学の認知を考える際に出てくる「The Spotlight effect」を考えながら、社会不安障害(SAD)について少し学びましょう〜。
社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)とは?
・「人前や大勢の前」で
・「具体的な行動:会話・電話・書類に記入・スピーチなど」をすると
・「極度の不安感や恐怖感」を感じ
・「手や声の震え、汗が止まらなくて」つらすぎて逃げ出したくなる状態によって
・「日常生活や社会生活」がおくれないもの
を言います。いわゆる「あがり症」のひとです。わたしもそうです!笑
日本には、約10%前後います。とくにシャイな日本人アメリカの1980年代の報告では3-13%と言われていたので、10%よりも多くいるかもしれません。
自分にそういう傾向があるのかはこちらをチェックしてみてください。よく出来たサイトです!
社会不安障害のひとが困る場面
社会不安障害のひとが困る場面って比較的決まってます。
・昔は元気で何も怖いことがなくて活発だった40代男性がある日突然、重要な会議で質問されて答えられない、プレゼンが出来なかった。
・元々大勢いるところが苦手な20代女性。たまたまラッシュ時でプラットフォームにたくさんのひとがいて恐怖感が襲いかかり、動悸も激しく、ふらふらするような眩暈を訴えるような状態。
・飛行機に乗るときは大丈夫なんだけど、シートベルトしていざ飛び立つという時に不安感が強くなり、いてもたってもいられず、冷汗ダラダラな状態。パニックも併発。
というのが社会不安障害です。
ここまではないにせよ、人の前でプレゼンすることに抵抗を感じるひとはいっぱいいますよね。あまりにあがりすぎえて、発表前にトイレに駆け込んでいたり、声が震えたりします。
社会不安障害と「The Spotlight effect」について
これ結構古いんですが、2000年に発表された実験で、Gilovichさんは、学生に同じ部屋でランダムに恥ずかしい絵柄のついたTシャツを着せ、相手が覚えているかどうかというものです。学生たちは当初50%、半分の人は恥ずかしいTシャツを着ているんだから覚えているだろうと思っていましたが、実際は25%しか覚えていませんでした。さらに恥ずかしくないTシャツだと10%しか覚えていませんでした。
これらはすべてひとの「認知」の問題だと言われています。
つまり自分ではとても気にしていることが周りから見れば、ほとんど気にしていないのにも関わらず「そう思われている」といった気にしすぎが人間は発生しやすいということを言っています。
これは社会不安障害のひとには、より強く感じられ、自分のネガティブな部分にばかり注目をしてしまうようになります。
社会不安障害が発生する負のサイクルを説明しましょう。先ほどご紹介したサイトにわかりやすい図がありますので、無断になりますが拝借させて頂きます。
この真中のトライアングルがぐるぐるまわるわけです。この「恥ずかしさを強く感じる」理由が、彼らが勝手に関連させ(紐付け)た自分のネガティブな部分(spotlight)になるわけです。
社会不安障害の治療法
社会不安障害は、働くひとにとっては非常にやっかいです。プレゼンや朝の挨拶、ミーティング、会議、出張とあらゆるところで発生し得るからです。どうやって乗り越えることが出来るのでしょうか?
いまこの社会不安障害が原因でパフォーマンスが明らかに70%以下まで下がっているのであれば、薬物療法をオススメします。この「苦手意識」を癖にする前に、大丈夫なんだという自信を勝ち取っておきたいからです。
とは言え、最終的にお薬も辞めたいわけですから、認知行動療法を取りれたものと暴露療法(強制的に暴露させる)、出来なかったことではなく出来たことに注目させるトレーニングをさせると6ヶ月から1年半で変わっていきます。
今日の診療はタンクトップでやったらさすがにウキますかね!?
でもそう患者さんの比較的、気にしていないかも…
それでは楽しい土曜日をお過ごしください。
ciao!!!