☆ わくわく働くひとを応援する産業医のブログ ☆

わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

ここがヘンだよ日本人…でも日本良いですね。

おはようございます!

今日は、先日韓国の方と産業医面談をした際に、「なるほど」と思ったことと「社会防衛」という考え方について共有します。

 

  

 

日本の企業って言い過ぎるとクレイマー!?

その社員の方は、子どもが病気になっていたために突如会社に休みを申請したところ、突然の休みは出来ない、難しいと言われたので「病欠」を選んだ韓国の方です。今までも繰り返しそのようなことがあって有給休暇を当てようとするものの上長が渋るため、面倒になって病休を選んだということでした。

当然病休が多くなったために、産業医面談が行われたというわけです。彼女といろいろなことを話している中で、ふと彼女が言ったことが気になったわけです。

 

「日本の国って緊急の対応とか突然発生するようなものに対応するのが弱いですよね!?」

 

 

 

どこまでも均一化を望む日本国民・日本企業

日本という国は、高度経済成長を経て暗黒の20年があったにせよ世界にJAPANの印象を強く植えつけた稀有な島国だと思います。そのような中で、中間層が幅広く、所得が圧倒的に多い国民と所得が圧倒的に少ない国民をなるべく減らすような施策をずーっとやってきたわけです。

高所得者から税金ということで徴収して、低所得者に分配する仕組みがあるわけです。このようにして中間層をあえて作り上げたわけです。ここには単一国家ならではの統一性や全体最適ということが大きく影響していただろうと推察されます。これだけ領土も資源もない日本が世界に通用するためには、国民全体が一丸となって世界と戦う必要があった!?しかも経済成長まっしぐらな80年台を考えれば、単一かつ官僚的にシゴトを進めることは何も悪いことではなく、非常に効率的なやり方だったと言えるでしょう。

従って、「誰でも同じ恩恵を享受する」という考え方は、染み付いているわけです。このようなことが社会保障制度や医療制度、民間のサービスにまで「おもてなし」という名のもとに最低クォリティを担保しているわけです。

 

 

 

日本企業での制度もそうだし、子どもを生むときにも思った

話を戻して、その韓国の女性は、「日本の画一的な考え方、緊急時の対応」を子ども出産の時に感じたといいます。彼女は、初産ということもあり30時間以上にわたる難産であったのですが、確かに助産師さんやその他の医療スタッフには良くしてもらえたが、あまりにも辛すぎたために、無痛分娩に切り替えてくれという要求は、事前に言っていないからできないということで拒否されたというのです。

日本企業の制度もそうで、事前に計画的に伝えていないと対応してくれないというのです。確かに日本のあらゆるところで、韓国やアメリカと違うのは価格に応じたフレキシビリティな対応はあるでしょう。このお店は、このくらいの価格だからこのくらいのサービスレベルが見込まれるということもあり、逆にそれよりも低いとお店に文句を言うわけです。つまり対価としての価値が満たされない場合は、主張・要求することでそのギャップによって発生したネガティブな感情を解消するわけです。

もし日本人だったら、おとなしいというか「次行かなければ良いよね」ということになるだけなのです。

 

 

 

なぜ日本はこのような均一化に近い制度を導入したのか

均一化という制度、中間層を増やすという制度は、今の日本の根本です。少しずつ時代には合致してきていない部分はありますが、極めて効果の高い施策だったと言えます。

どんな効果があったのでしょうか?

わたしは、離島にいたときになんて税金が高いんだ!と思っていました。高所得者から税金を多くとってというまさに当事者だったわけです。これじゃあ日本は、高所得なひとは海外に出てしまうということを考えるだろうと思っていたのです。

しかし、「社会保障制度」の考え方を知ると一変しました。そうなんです。

「社会防衛」という考え方をみんな知らないのです。アメリカでもどこでも貧困層が暴動を起こすとターゲットは決まっています。「そう、高所得者」を狙うわけです。お金をもっている人から狙われるわけです。そう考えると社会保障制度の本質は、社会防衛であり、狙われないための保険をかけているようなものと考えるとスッキリするわけです。

わたしの家族が、久米島で襲われないためにも税金を支払って、生活保護であったり、低所得者を支援していくこのような均一化制度が成り立っているわけです。

だからこんなに治安が良いんです。凄いと思いませんか?世界でもこんなに治安が良くて、礼儀正しい国。 

制度にはメリットもあれば、デメリットもある。そのデメリットばかり目が言ってしまうのが人間です。でも本質を知るとデメリットで苛立つことも少なくなるはず。 

 

 

 

でも日本のカフェに行くととても安心する

そんなことを韓国の社員の方にお話していたら、納得されて。治安が良いことは凄いというだけでなく、5年以上も住んでいると今までの日本の悪いところだけでなく、良いところも見えてきたというのです。

日本のカフェのどこに言っても、最低限の接客態度であったり、テーブルがキレイであったりするというのです。だからどこのお店に行ってもそんなに大差ない。日本の食事も、チェーン店での食事も美味しいし、どこにいってもそんなにばらつきが高いわけではなく、むしろ美味しくて満足することが多い。そんな良さも実感しているとのこと。

 

でもやっぱりバランスが大切ということも言っていましたが、それはそのとおりですよね。今の世の中で「均一化」ばかり求めてしまうと、やはり成り立たない部分が目立ってきている気もしています。

 

なのでわれわれの世代でわれわれに合った制度・政策を作っていかないといけないですし、そのためには必ず選挙には行きましょうね。笑 

外国の方から指摘されて気がつく日本の良さと変なところ。やっぱり私は日本が好きだなぁ。