☆ わくわく働くひとを応援する産業医のブログ ☆

わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

病院経営で大切なもの。ひとを大切にすること。笑

おはようございます!

3連続ブログ更新でアタマがハイになっていますが、皆さんどんな週末をお過ごしでしょうか?

 

さて今日はこの2日間続いているKBSでの講演会のスライドを用いて情報を共有しています。今までは「働き方」×「ヘルスケア」だったのにすみません。急に「病院経営」だなんて、だいそれたこと申して。わたしは、病院経営のプロではありませんので、そのあたりは、是非わたしの知り合いの方々を御紹介します。

 

そうんなんです。今日のお話のために、この2日、病院経営の特徴や過去20年間の環境についてお話してきたんです。今日のためです!!!

今日は病院経営でもっとも大切な資源「ひと」についてお話します。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:業務による健康被害

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2000年から簡単に調べるだけでこんなに看護師、医師の過労死って出てくるんです。中には、わたしのいた病院名もwww

多くが過重性というところに注目して下さい。24歳の若い看護師が時間外労働100時間を超えて、このままいくと患者さんの安全を守ることが出来ないって極度の不安に襲われながらシゴトをしているんです。

これって正常じゃないんです。というよりも結局は、患者さんとして病院受診をしているみなさんのリスクが非常に高いってことが言いたいんです。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:精神障害の請求と支給件数1位だぜ

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もちろん医療福祉は、非常に多くの方が働いていますので、請求数も上がって良いわけです。最も労働者数の多い業種は、卸売小売業1,057万人、2位が製造業1,039万人、そして3位が医療福祉で735万人なんです。建設業は、499万人なので、多いかもですね。

これ割ってみると、医療福祉:5万人にひとり。卸小売:17万人にひとり。建設:8万人にひとり。やっぱり多いじゃん!泣

 

 

 

病院経営で深刻な問題:過重労働って何が悪いの?

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さていよいよプロ産業医としての領域に近づいてきました。いまあるエビデンス(科学性)から考えると過重労働って「脳出血」と「心筋梗塞」といった脳心臓疾患のリスクは約3倍に増やすわけです。

だから高度経済成長期に働きまくっているメタボの父ちゃんが、朝起きたらぽっくりなーんてことあったわけです。でもリスクがなくても不整脈で若い看護師が亡くなるケースもみられているのです。

では精神障害はどうかっていうと、現段階では「わからない」というのが答えです。おそらく関係しているという論文が多いのですが、過重性というよりも業務上のミスであったり、人間関係というところの要素がインパクト大なわけです。時間外労働時間数と精神労災の分布をみても20時間以内でも結構いるんです、精神労災が。

 

 

 

病院経営で深刻な問題:過重労働が続くと医療ミスが多くなる!

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そうなんですよ。過重労働って医療ミスが増えるためにあるようなものなんです。繰り返しになりますが、本人も不幸です。でもそれ以上に患者さんが不幸になるんです。だってこの有名な研究みてください。

3時間睡眠を5日間させると約40%も処理スピードもケアレスミスも増えるんです。しかも回復が悪い。3日たってもですからね。

そんな医療者にみてもらいたいですか?われわれも診たくないんです。こんな状態で、本当は。泣

 

 

 

病院経営で深刻な問題:医療事故が多いにもかかわらず日本はわかりにくい

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これは1999年にIOM(米国医療の質に関する委員会)が調査して発表した超有名なものです。アメリカの医療死亡事故年間4万件なんですって!日本は?っていうと、わからない。そう!?わからないんです。すんません。

調べても中々出てきません。あるのは厚生労働省から医療事故を調査報告する機関、日本医療機能評価機構の医療機関数274施設のものだけです。これじゃ全体像はわかりません。いまだ日本はブラックボックスのまま。ヘタするとアメリカを超えている可能性はあります。

 

 

 

病院経営で人的資源管理やってますか?というより衛生管理。

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病院の先生って産業医の先生のこと比較的馬鹿にするんですよ。笑

産業医のしごとだって?そんなのおれいつでもやっているよ。現に、やってたからな、バイトで・・・がははっみたいな。ふざけんじゃねーよ的に思うわけです。私からすれば。だから病院組織では、産業医が活動していません。断言できます。病院では産業医の活動は、登録だけしているのみで、衛生活動をしていることなんて見たことない。

病気をなおす役割を果たしているせいか、自分たちの健康には無関心。

病院組織でいち早く衛生活動の一環でやらないといけないのは、「過重性」と「意思疎通性」をどうやって仕組み化できるかということです。だから昨日言った業務改善が不可欠なんです。バージニアメイソンメディカルセンターみたいな病院プリーズなんです。

この2つってマネジメントなんでよね。マネジメント。上司が部下とコミュニケーションをとって、業務の進捗を追って、今の方向性を示して、現状を話しして、役割を確認して、部下の健康状態もチェックしてということですよね。

病院にはマネジメントは不在ですから・・・出来るわけありません。

 

 

 

病院経営だけじゃなくて、一般企業でも課題

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企業の中で、採用ってどうしてあんなに華やかなんですかね?私からすれば、しっかりやっている労務の方が本当によく会社のことを見ている。

採用ができるひとは確かに数値を追って、会社のためにしているかもしれない。でもそのあとのことを追っていませんからね。看護師紹介業が成り立つのも看護師の流動化がかなり進んだ結果です。それに伴い、これらの採用退職コストは膨大です。メンタル失調コストも。

 

 

 

やっぱりハッピーな組織は、良いよね!病院経営でも同じ。

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これも有名な雑誌から。

言うまでもないんですが、これを実現するのが大変なんですよね。わかります!

でも社員の健康に気を遣うことはできるはずです。

 

さて3連続でブログを更新しましたが、いかがだったでしょうか?

山田が、病院経営を語るのはかなり珍しいのですが、まあタイミングが合致したので。

 

それでは来週(明日)からも頑張りましょう!!!

ciao!!!