病院経営の特徴を3つあげなさいと言われたら…わたしはこう答えます。
最近は、充実した日々を送っていますでしょうか?
週3本はブログの記事を書こうと思っていましたが、とうとう4月にして断念か!?
いやいや頑張ります。今日から3連続。笑
今日は先日母校のKBSで田中滋先生のヘルスケアマネジメントという授業の中で、講演をしてきましたので、その中から一部御紹介します。
病院経営を考える上で必要な3つのポイント
これ勝手にわたしが考えた3つなんですが、わたし今まで産業医としても一般企業から多く相談に乗っていく中で、3つの特徴があると思ってます。
わたしは、この3つだと思うんですよね。医療制度や病院経営の本質的な違いではなくて、ビジネスモデルを考える際に必要なことってこの3つの違いが特徴として出ているって思うんです。
病院経営の特徴(その1):労働集約型ビジネス
これは、わたしがトレーニングを受けた沖縄県立中病院のPL/BSです。固定費ビジネスの典型的な形をしていますが、PLの中身を見てみると、人件費率や材料費率が高いことがわかります。当たり前ですが、病院は「ひと」が「価値」をもたらしているんです。
病院経営の特徴(その2):職人集団型ビジネス
これはまだ成長していないIT企業に似ているところがあります。IT企業は、エンジニア集団が、本当にそれはそれは、医師と同じようにやりたい放題やっているところもありますよね!?
このスライドは、非常に有名な長野にある相澤病院のHPからの情報です。26職種もあるって凄くないですか?それぞれが異なる価値を患者さんに提供しているんです。そしてそれを支えるバックオフィスが1/4程度。これも特徴ですよね。
鍼灸師が2名いるのにはびっくりしました〜!
これはわたしが、ビジネスをする上で大切にしている図です。わたしが勝手に作りました。笑
ビジネスを大きくするために必要なことって、「素晴らしい物」を作って、「その価値を伝える」ことを高速化させることだと思っています。つまりこの図でいう「Product」と「Marketing」のバランスが非常に重要なわけです。どちらが欠けても価値を提供できないと思ってます。
そして、その高速化を支えるのが、マネジメントであり、ファイナンシングなんだと。
マネジメントは、当然人的資源管理(Human Resource)に含まれるわけですが、それ以外にも管理というのは、人員計画管理や在庫管理、物品管理、IT管理などいっぱいあるわけです。ひとつの要素としてとても重要な役割なはずです。
このサイクルを支える真ん中にあるのが、人的資源です。「ひと」なわけです。
病院経営を見てみましょう。どうですか?こんなにいびつな形をした構造になっていませんか?そうなんです。マネジメントもファイナンシングもなく、人事機能も弱く、Marketingといえば、前方連携と後方連携のみ。情報発信というものをしていないんですwww(有名な病院は別ですが)
病院経営の特徴(その3):地域特化型ビジネス
3つ目は、当たり前ではなくなりつつありますが、やっぱり病院経営って地域あってのことなんですよね。厚生労働省が基準病床数制度を作って、勝手に地域の中で病床を増やしたりしてはダメよ、と言っているのは当然であって、国民皆保険制度という中で、医療制度を運用しているために、勝手に地域の住民が求めているからっていう理由だけで病院を作ったらダメなわけです。地域の住民ってシンプルで、病院作って欲しい?ってきけば、作って欲しいっていうんです。公園も一緒です。でも公園にだれもいないでしょ?地方の公園は。
鴨川市や青森県の労働人口のうち10−20%が医療福祉に関わるシゴトなんですよ。医療って本当に地域の雇用を生むんです。これってとても大切なんです。地域の基盤を作るので。
今では、グローバルに展開する医療法人や全国に水平展開する医療法人もありますので、今後益々変わっていきますが、それでも地域があっての病院経営です。
病院経営ってこの3つが特徴なんです
もちろん病院経営と一般企業のモデルの違いをあげてくださいって言えば、これ意外にもいっぱいあります。でもこの3つってとっても大切でこれをアタマにいれておくことで病院経営をめぐることやその周辺のビジネスも理解できてくるのだと思っています。
とりあえず優秀なひとが医療政策を理解した上で病院経営をしたら最高の医療が提供できると思うんだけどなぁ〜。と言いながら、わたしは病院経営には今のところ関わるコトありませんので、勧誘や誘惑は勘弁して下さい。笑
それでは楽しい金曜日を過ごして下さい。ラストスパートですね!
ciao!!!