【なんてこった】1歳までに18歳時点での気管支喘息の発生有無が決まる!
おはようございます!
今日は、喘息の話をしましょう。花粉症もひどいときは、喘息発作もひどくなりがちです。どこかのタイミングで、職業性の喘息についてもお話したいと思いますが、今回は喘息の治療ではなく、予防について御紹介します。
ちなみに久しぶりに標準治療GINAをみてみました。
相変わらず海外の医療系HPはカッコイイ!笑
このGINAには、内科医として大変お世話になりました。治療のアルゴリズムやマニュアルがしっかりとシンプルに出来ている。そして何より印刷ができて、持ち運べる!
これ超重要なんですよね。
GINA知らない内科医はもぐりでしょうねぇ〜。笑
気管支喘息はこどもの時期から普通は始まる!
68歳の男性がわたしの外来に来て、最近から喘息が始まったんだよ。なっ?先生、ひゅーひゅー言うだろ?って言うんです。
他のクリニックでも指摘されたとのこと。
そのときはどうだったのかわかりませんが、少なくとも聴診や足元見れば、喘息じゃなくて心不全でした、なーんてことは意外とあります。
大人から始まるってあり得るんですが、確率論的に違和感を感じるので、心臓の病気や強いアレルギー性のもの、例えば職業上、粉末のものを吸入しているとか、そういうことを大人のヒューヒューの場合想定するわけです。
そう。気管支喘息ってこどもの病気なんです。←言い過ぎ!?
日本の呼吸器学会にシュールな絵がありますので、こちらも紹介しますね。意外とわかりやすい。
小児の6%、大人では4%くらいです。
発作があると、夜ねられなくて、救急に行かないといけないっていうのが多いわけです。
原因は、簡単に言うとアレルギーなわけです。アトピーに関係することもあります。
そこで今回の気管支喘息の予防です
今回は、2012年のThorax からの論文です。
原著はこちら。
著者らは、高アレルギーリスクのこどもで、アレルゲンになる環境要因をこどもが12ヶ月になるまでに避けることで気管支喘息になることを防げるのではないかって仮説をたてて研究しました。
120名の高リスク(遺伝要素やアレルギー検査)で、
① 【48名】母乳で低アレルゲン食もしくは低アレルギー人工乳を私用+ハウスダスト回避
② 【55名】標準(何もしない)
の2つにわけてみて、1歳・2歳・4歳・8歳・18歳で気管支喘息とアトピーを追っていくというかなり長期間にわたる研究なんです。
1990年に始めて、18年間追ったわけです。
アトピーは、気管支喘息の単一リスクとしては、56%も寄与するので追っているようです。
結果はどうだったか?気管支喘息は?
18歳時点で、①の群は②の標準よりも、気管支喘息の発生率が0.23倍低かった。
18年間で①は6名/48名、②は15名/55名という結果でした。
1歳から18歳までみると、0.51倍まで下げることはできたが、残念ながら18歳時点でのアトピーの発生は統計的には優位ではなかった。
こちらが気管支喘息です。
1歳から18歳までの上がControl群(②)で下がPrevention群(①)です。
アトピーについても同様に、上がControl群(②)で下がPrevention群(①)です。
でもこれを見ると、やっぱりアトピーも2歳から8歳までは優位に差があるように見えますし、18歳時点では変わらないということなんでしょうね。
これだけでは結論は難しい、気管支喘息
これだけでは統計的にも数字は微妙な部分も多数あるものの、でもやっぱり18年間おってたことは凄いですよね。
こういう研究は、重箱をつつくことって簡単なので、そのときのBest Available なEvidence とは何のか考える事が大切です・・・ってこれ以外それほどサーチしていないので、Bestかどうかはわかりませんがwww
この研究から少なくとも「わたしが変える行動」とは、自分のこどもがアレルギー体質が強いとなれば、妻にアレルゲンを避けるように指示するでしょうねぇ。
ハウスダストを回避するって具体的にどうやったのか知りたいところですが。
もうアレルギーって良いんだか、悪いんだか。
花粉症のわたしにとっては、最悪です!泣
ではでは〜今日もマスクで出勤してくださいね。