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わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

【後半】もし娘がリスカをしていたら・・・どう対応する?

昨日に引き続き、リスカの話です。

 

それではいよいよもしリスカをしている娘を見たらどうするのか。

  

Questionの答え:一緒にできる対応方法

リスカは、「感染」することがわかっています。高校生であれば、リスカをもっている友人は、その周りも興味本位から最初は、リスカをやることがわかっています。
 
Questionの答えは、「B」が望ましいでしょう。
「A」ももちろん親として非常に気持ちがわかります。
しかし繰り返しやってしまうパターンになります。なぜならリスカの本質を理解していないからです。悶々とする気持ちや発生した耐えられないイライラをどう解消して良いのかわからないからです。
 
すべてのケースに最適とは思いませんが、一般的なリスカ対応方法について紹介します。
 
 

0.傷の程度によって医療機関受診するか決めましょう。

多くが皮膚の浅いところだけを切っている場合が多いので、止血も大丈夫ですが、慣れてくると徐々に深くなり、皮膚下の脂肪組織も見えていたり…。傷をしっかりと合わせて圧迫して止血しても止まらなければ、病院に直行しましょう。
もちろん皮膚よりも深ければ尚更です。
腕や足ではなく、首や顔はすぐに病院に連れて行って下さい。
 
 
 

1.今の悩みについて娘さんから話を聴きましょう。

学校のことでしょうか?クラブ活動のこと?バイト先でのこと?彼氏とのこと?それとも自分たち親のことでしょうか?
話したがらない場合は、無理やり聴かないで、話したがったら受け止めましょう。
 
 

2.今まではどういう時にリスカをやっていたのか聞いてみましょう。

意外と本人たちは、どんなときにリスカをやっているのかを覚えていません。衝動的にやったら気持ちが楽になったという認識でしかありません。
具体的な事実として何が起こって、結果どういう気持ちになったのか、どう解釈したのか、そしてその結果行動としてリスカにつながったということを認識させるのです。
もちろん親から詳しく聴かれることを良しとしない子も多いと思います。カウンセラーへ行くことも検討しましょう。
 
 

3.今までその悩みや辛さを親として知らなかったことを謝りましょう。 

親として子どもの悩みを理解するのに時間がかかったことを謝りましょう。また言いにくい状況があったのであれば、それも含めて。
言いやすいようにこれからは時間を必ず作ることを約束しましょう。 
 
 

4.リスカ自傷行為の知識について一緒に学びましょう。

WEBページを印刷して見せるだけでも効果があります。
とくにリスカ自傷行為についてまずは知らないと行動変容が始まりませんので、例えばウィキペディアやこのブログを印刷して見せるだけでも良いです。
あくまでも一緒に学ぶ姿勢が非常に重要です。そして喜びをわかちあうのです。
 
 

5.具体的な回避方法を一緒に知って実践しましょう。

リスカには、必ず「原因」があります。その後に発生する感情や気持ち、解釈をどうしてよいのかわからなくなりますので、その段階で次のことをさせましょう。
 
① 太めの輪ゴムを腕にまいて、感情のコントロールができなくなったら思いっきり輪ゴムをひっぱりましょう。
※ ミミズ腫れくらいになっても、「痛み」はそれほど感じないことが多いです。
 
② 感情のコントロールが上手くいなかったら、台所に行って氷を10秒以上握りましょう。
 
③ 赤いペンで腕にシャッと線を引きましょう。
 
④ 運動の好きな子であれば、スクワットも有効です。30回一気にやって、息がきれるくらいやりましょう。
 
そして回避できてもできなくても、必ずノートにつけましょう。
可視化をすることで、どれだけ自分のやり方で「成功」したのかがわかります。
 
 
もちろん親として対応できる限界やこれは説明できないということもあるでしょう。
でも最低限、伝わらなかったかもしれないけど、「これまでも、いまも、これからも愛している」と娘に伝え続けることが最も有効なのかもしれません。
 
それでは、良い日曜日を〜。
わくわく。