☆ わくわく働くひとを応援する産業医のブログ ☆

わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

わたしの仕事、産業医とは?

産業医とは?

産業医の仕事で社員と面談する際に、聞かれることがあります。

それは・・・

 

「先生は、なんで病院じゃなくて産業医という仕事をしているのですか?」

という質問です。

 

なるほど。

社員の方からすれば、医師というのは病院で働くものだという認識なのでしょう。

厚生労働省のデータを見てもほとんどが医療機関で働いていますので、病院以外で働くといえば、最近増えてきたコンサルで働くか、製薬企業で働くか、研究職で働くか、起業しているかでしょう。

 

その中に産業医という仕事もあります。

産業医の資格をもっているのは、約9万人。医師が30万人弱なので約1/3がもっている資格ということになります。

でも実際に産業医を専門に働いているのは、1000名前後。さらに地方でのバイトも含めて産業医の仕事をしているのは、5000名から1万名前後でしょうか?

これほど多い仕事にも関わらず、知っている人が少ないのはなぜでしょう。

 

産業医のしごとの使命

産業医の使命は、ズバリ「労働災害を防ぐこと」です。

労働災害とは、「働くことをとおして健康を害すること」です。

 

働く=健康を害するという前提のもの、われわれのような産業医という職種が、目を光らせているのです。

 

このような表現をすると監視するようなイメージがありますが、現実的には全く異なる働き方です。良い意味でも悪い意味でもコンサルタント的な立場での働きとなります。

 

会社の法律的なサポートをするのが弁護士、会社の労務管理のサポートをするのが社労士だとすれば、産業医は会社のヘルスケアをサポートするものです。

そういう意味で、産業医として必要な技術は、「健康管理」、「公衆衛生=予防医学」、「法律」、「労務」と幅広くなります。

 

医学のみを追求してきたピュアな医師には、中々理解が出来なかったり、臨床現場とは異なるギアで対応することができない先生も多くいます。

産業医は社員自身は治療しませんので。

 

臨床医と産業医との違い

産業医は治療しません。

臨床医と比較します。

 

☆ 臨床医: 病気のひとを扱う

治療すること、検査から診断をつけること、目の前の患者のためにできることを考えてマイナスな健康状態をなくすこと、医療機関内で基本的には活動すること

 

☆ 産業医: 未病のひとを扱う

社内で困った事象の方針を立てること、状況を把握してリスク評価をすること、目の前の社員だけでなく組織全体の健康状態を向上させること、マイナスからゼロもしくはプラスに持っていくこと、仕事場に出かけて活動すること

 

これらに法律という観点も加わります。

見て分かるように未病のひと=普通のひとですので、ビジネスマンとしての常識も当然求められるわけです。

 

そんなわたしが産業医でわくわくする理由

産業医として活動してまだ日が浅いわたしが、産業医がどうして臨床医よりもわくわくするのか・・・

決して臨床医が嫌だったわけではありません。現に週1回だけですが、毎週土曜日に一般内科と心療内科をやっています。

 

やはり産業医の醍醐味は、大げさに聞こえるかもしれませんが、「産業医が変われば人事が変わり、人事が変われば組織が変わる」ということになります。

どちらかと言うと人事のサポート役に徹して、労務管理をしやすくする仕事なので、人事と一緒に協働するところも非常におもしろいわけです。

素晴らしい人事の方々にお会いして状況を一緒に考えて、事業ステージごとの組織をヨコから見れる醍醐味もあります。

 

産業医が頑張れば会社の収益に貢献することもできますし、何より働く人をわくわく支えられることは本当に楽しいのです。

結果が残せる産業医は、それだけ報酬も高くなる、そんな世界もわたしにとってはとてもやりがいを感じる部分でもあります。

 

求められる産業医

産業医も戦後工場等が日本に多くあったとき、2000年前後からIT企業を中心としたサービス産業が多くなってきたこと、ここ最近では在宅勤務や時短といったフレキシブルな働き方が増えてきたことによって働き方が変わってきました。

 

工場が多かった時代は、有機溶剤などのケミカルなものや転倒転落といった機械的なトラブルをどう防ぐのか。

高度経済成長では、動脈硬化のリスクを勘案しながら長時間労働のリスクをどう考えるのか、どう防ぐのか。

メンタル失調に代表されるうつ病をどうやって防ぐのか。

といったことが時代とともに移り変わっているのです。

 

そのような中で求められる今の産業医像は、まさに「労務上のトラブルを解決する」ことであったり、組織診断の一環として人材採用に関わったりと退職時マネジメントにも駆り出されたりと楽しいことばかりです。

 

今後は、ますます産業医としての価値をどうやって会社にもたらすのかを考える時代なのだと思っています。

こういう不確実な時代になればなるほど、わたしは強みを発揮できるのでありがたい話でもあります。

 

今日も寒いですが、充実した1日を過ごされて下さい。

わたしは朝から全身全霊、患者さんに活力をあげます〜!!!