知らないと損する「調子が悪い」とは言ってはいけない…
「調子が悪い」というとき…
これはわたしが心療内科をやるようになってから気がつくようになりました。
みなさんは、病院やクリニックに行った時や通院している時に、主治医の先生に「調子はどうですか?」と聞かれた時、どう返していますか?
この「調子はいかが?」という質問が、答えを決まったパターンに誘導しているのです。
「調子はいかが?」→「YES OR NO」しかないわけです。
なので、「先生、調子は良いですね。特に変わりありません」という返事であったり、「先生、調子は本当に悪いですね」となるわけです。
決してこのように答えることが悪いと言っているのではありません。
でも本当に相手に伝えるときには、これはほとんど伝わっていません。
「調子」はTPO!!!
「調子」という二文字には、多くのものが含まれています。
たとえば社員の方の調子というのは、場面によってはパフォーマンスや売上、成果となるでしょうし、内科の外来ですと特に痛みや血便が出ていないということになります。
なので場面場面によって調子というものが何なのかを考える必要があるわけです。
その中で心療内科や精神科の領域で「調子が悪い」と言ってしまうと大変です。
忙しい先生は、そのまま調子が悪いと判断し、お薬を増やしたり、種類を追加するという意欲がかきたてられるからです。すべての先生ではないですよ!
われわれのメンタリティの世界での調子というのは実は3つあるんです。
この3つに分解して考えて、それを伝えることが最も主治医との関係を良くし、自分の健康をより良くできることにつながります。
3つの「調子」とは?
調子には3つあって、これはわたしが独自に考えていることですから科学的ではありませんこと留意下さい。
1.気分
2.感情
3.不安
の3つに調子を分けると非常にわかりやすくなります。
1つめの気分というのは、まさに意欲の問題です。朝起きて「さぁ仕事に行くぞ〜!」というのは意欲がある状態。「身体がだるくて仕事に行きたいない」と思うのは気分が低下していると考えます。
2つ目の感情というのは、喜怒哀楽のことです。とくに怒りっぽかったり、いらいらしやすかったり、急に悲しくなったり。この度合いを言います。
3つ目が、不安であり、あらゆることへの心配事の度合いです。対象があるものもあれば、漠然とした不安というものもあります。
なので、わたしは外来で”あえて”「調子はどう」と聞きます。
そうするともちろん患者さんは、YES・NOで返答しますので、YESでもNOでもそれは、気分のこと?感情のこと?それとも不安のこと?それ以外のこと?と流れるように聴くわけです。
そうすると患者さんの方も、より理解してくる質問をしてくれたと安心するようです。
調子の問題から診断する
実はここからは、なんとなーくで聞いて欲しいのですが、この3つの調子からおおよその診断名というのがわかっちゃうんです。
診断名っていうと、語弊がありますが、そういう癖があるくらいがわかります。
2.感情がアップダウンする場合:適応障害、発達障害、パーソナリティ障害の可能性
3.不安がアップダウンする場合:不安障害、パニック障害の可能性
という感じです。
あくまでもその傾向にあるということ、これらはグラデーションになっていることからいくつもの診断名が発生しえますが、おおよそこんな感じです。
どの要素が1番強いのかを知るだけで十分です。
これらに分解して何がどのくらい悪いのかを伝えることで正確に情報を伝えることができ、主治医とのミスマッチもぐんと減ります。
すこしだけこのような視点で病院に行かれてみてはいかがですか?
ではでは〜!
今日も1日MAX楽しみましょう!!!