☆ わくわく働くひとを応援する産業医のブログ ☆

わくわく働く社会を創る。そう決めて起業しました。社内ヘルスケアだけでなく人事総務の領域全般、医療や病院管理とお話しましょう。

「その働き方」が間違っているんです!

おはようございます。

今日は、「働き方」についてお話します。わたしは、ホントに多くの働く世代と面談を繰り返してきましたが、やっぱり行き着くところは「働き方」なんですよね。

 

誰もどんな働き方が良いのか教えてもらっていないことも事実です。ソフトバンクの孫さんやらイーロン・マスクベンチャー企業の社長は週100時間働くといったことがクローズアップされていますが、スーパースターの働き方は出来ません。

 

では「一般人向けの働き方」とはどんなものをすればよいのでしょうか?

 

 

 

20歳代と同じ働き方をしていた42歳エンジニア

42歳でとある大企業の主任エンジニアAさん。バーンアウトして復職してからも月4−5回の病欠という名の「さぼり」に近いものがありました。。見た目は、普通に良いひと。笑顔もでるし、外来に来るたびに大きな声で笑っています。

 

私:そういえばAさん。最近もまだまだ月4回は休んでいるようですけど、これどんな感じなんですか?

 

Aさん:いやぁ〜(笑)、なんか朝起きたら休みたくなっちゃうんですよね。意欲がわかないというか、休職するまではこんなことなかったんですが…前日特にハードに仕事をするとその日の夜には、次の日はまっいっかなぁ〜なんて勝手にアタマが考え始めちゃうんです。

 

私:(・・・)前日の夜からもうそんなモードに入っているんですか!?それは、凄いですねぇ〜。完全にサボりじゃないですか?(ジョーク風に笑顔で)

 

Aさん:いやぁ〜。サボりではないんですが、ホントにやる気が起きないんですよ。

 

私:前日の話を教えて下さい。前日はどんな風に働くと、夜ぷっつんってやる気が起きなくなるんですか?

 

Aさん:そうですねぇ。なんか追われるというか、やりきった感じが出ると、次の日は休んでも大丈夫だと計算するんです。だからそれまでの5日はマッハで仕事を終わらせるんですよ。

 

私:えっ?じゃあ、仕事は終わっているんですか?終わって休んでいることってことなんですね?それは悪いのかわかりませんねぇ〜。だって仕事は終わっているんですから。

 

Aさん:!?えっええぇ↓。一応は、終わっている”よう”です。わたしなりに。何か昔みたいにがーっと仕事をやるクセがあるというか、昔はそれで良かったんですが、40過ぎるとなんか集中力が続かないというか、それやると次に日に影響しちゃうんですよね?

 

私:Aさん。Aさんの問題、全部Aさん言っているじゃないですか?20歳代の働き方を今も続けているんですか?泣

 

Aさん:えっ?ダメなんですか?これって?

 

 

 

働き方と年齢・年代のパターン

「働き方」はひとが自分なりの工夫をして、目の前の仕事に合わせて生活リズムを合わせていくひとが大多数です。

その中でも「働き方」と「年齢」は密接な関係にあり、おおよそ年代で働き方が決まってきます。ここでは、一般の日本男子をみてみます。

 

・【20歳代の働き方】 

エネルギーが有り余っていて、マッハで仕事ができ、馬車馬のようにオペレーショナルな仕事がこなせます。一方、アタマと経験値が足りないことから「考える仕事」をしているひとは少ないです。

ただし働き過ぎると「ブラック」と呼ばれて毛嫌いされます。褒められたり、ロールモデルに近づきたいというのが、走る原動力です。納得ある叱り方も求めます。いわゆるワンピース・NARUTO世代です。

 

・【30歳代の働き方】 

20歳代から30歳代になると徹夜で飲んだり、徹夜で仕事をした、徹夜で遊んだというのが劇的に減ります。結婚して家庭をもって子どもができるという理由もありますが、徹夜での肉体的疲労が取れにくくなるからです。

仕事上でも部下をもったり、調整をすることが多くなる年代です。配慮や気疲れが増えます。より「考える仕事」の割合が増えるものの、プレイヤーとしても存分に働きます。

 

・【40歳代の働き方】

1番組織の中でも中核に位置づけられる存在。30歳代よりもさらにアタマを使う仕事が増え、ひとによっては転勤もひとだんらく。部下の管理が中心となりチームや部署の成果が求められますが、やっぱりプレイヤーの部分も残ります。パワハラやセクハラに要注意です。

同時に、健康面では急速に動脈硬化のリスクも高まり、脳卒中や心臓発作のリスクが高くなります。いわゆるガンダム世代になりますので、ピラミッドで働く働き方が慣れています。まさにAさんの世代です。

 

・【50歳代の働き方】

定年までのカウントが見えてくると、役職的にも、保守的になります。なるべくミスなく過ごすということがあちこちで出てきます。子どもを育てた奥さんとの関係も冷えてくるひとも増え、今までの家庭での仕返しがここからやってきます。奥さんからの不満はピークに、もちろん熟年離婚もあり得ます。さらに追い打ちをかけるのが、両親の介護問題です。これによって働き方はかなり変わってきます。

仕事は、昔のように馬車馬に働くというよりも部下のミスのリカバリーであったり、アタマと経験値を使った働き方が多くなりますので、会議ばっかりになりますが、融通がきく場合もあります。

 

・【60歳代の働き方】

ここからは、日本の場合セカンドライフを楽しむひとが多くなってきています。大きく3つのパターンです。1つ目は、そのままリタイアして趣味を楽しむひと。2つ目は、そのまま会社で顧問やシニア雇用で働き続けるひと。3つ目は、やりたかった仕事や今までの経験を活かして、場合によっては仲間と起業するひと。

この年代は、お金の問題さえなければ、基本的に「働き方」は自由なので、「楽しく」過ごされているひとも多くいます。組織に所属していて、指示命令されていたことが、自分のしたいことを中心にできるからです。

 

 

 

Aさんは、働き方で何がいけなかったのか?

Aさんと話をしているうちに、Aさんはホントにプレイヤーとしての考え方や働き方で物事を考えているなと感じました。とくに20歳代と同じような働き方をして、そして疲れて休むという悪循環になっていました。仕事が終わっているから良いという事も有り得ますが、組織のルール上彼は裁量労働制がとられていない社員なので、やはり行かないとダメでしょう。

 

Aさんに、なぜ疲れるのか分かりますか?と質問したところ、毎日晩酌しているからですか?という答えが帰ってくるくらい、働き方を意識していないのです。

ひとは、20歳代よりも30歳代、40歳代、50歳代となるに従って、一般的には「一定のリズム」で働くことが望ましいです。

 

つまり60歳代になっても徹夜でイーロン・マスクのように働くひとがいてもよいのですが、「一般人」はやってはダメです。間違いなく、疲れがとれませんし、パフォーマンスが下がります。

 

 Aさんは、働き方をコンスタントにパフォーマンスが出るような計画を立てて、イレギュラーを想定しながらなるべく全体を見渡す方が、本人にとっても疲れずに、しかも休まずに出勤することが可能なのです。

 

ちなみに「働き方」が間違っている指摘をしたときのAさんのびっくり顔は半端無かったです。しかも今は、月に2回のみの病欠、先月はゼロでした。Aさんだけでなく、実は多くの35歳後半の社員の働き方を見ていると、いつまでも20歳代と同じ働き方をしているひとが多くいすぎます。

 

20歳代は、そりゃぁ働きまくってよいでしょう。突っ走りましょう。でも30歳代からはもっと考えないと成果は出ません。

 

是非みなさんは、パフォーマンスの出る自分の「働き方」を模索してみてください。

わたしは、毎週ランニングとストレッチをするとパフォーマンスが良いようです。最近寒すぎて花粉症がひどいので出来ていないのが、パフォーマンス低下の原因です。泣

 

それでは今日は寒いですが、頑張って働きましょう〜。

ciao!!!

 

 

 

 

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