仕事の仕方が分からない社員たち…
今日は、産業医の面談をしている際に、わたしが感じる仕事の仕方が根本的にわかっていない結果、成果が全くでない社員の考え方について話しします。
もはや結果というよりは、完全にローパフォーマーで仕事ができないという社員です。
だからどこの部署からもお荷物扱い…。
なぜそのような社員を面談するのかというと、パフォーマンスが悪いのは、疾病性があるからでは?と思われるからです。
実際、このような場合に、何をやっても仕事がうまくいかないと思うので抑うつ状態になっていることは多々見受けられます。
会話形式で見ていきましょう
前部署から要らないと言われ、職場での適応障害になったAさん。
一旦は休職するも復職後、面倒見の良い先輩の下で新しく働くことになった。
そんな復職フォローの面談。
ちょうど復職後3ヶ月経過したくらいの話。
私)Aさん、こんにちわ。仕事の調子はどうですか?
Aさん)ぼちぼちですよ。相変わらず仕事はなれないですね。仕事もあまりふられません。
私)上司は何をあなたに求めているのですか?なんて言われていますか?
Aさん)「与えられた仕事をまずは完璧にこなしなさい」と言われました。
私)上司の言う「完璧にこなす」ってどういうふうに考えましたか?
Aさん)とりあえずわからないことだらけだと思うから、言われた仕事の内容を理解して、他のひとに説明できるようにすることと思いました。
私)それをすれば、上司の言う「完璧にこなす」は達成できますか?
完璧に仕事をこなす!?
Aさん)できると思います。言われた仕事の内容を理解して、他のひとに説明できれば。
私)わたしは出来ないと思います。
Aさん)えっ?なんでですか?
私)Aさんの言われた「仕事の内容を理解する」というところが気になるんです。
仕事の内容を理解することが本当に出来れば完璧になるでしょう。
でもAさんは、本当に理解ができますか?
Aさん)・・・
私)業務的には100点の答えだと思っています。本当ですよ。でも社会の中で本当にそれが正しいと思っているのであれば、たぶん完璧に仕事はこなせないと思います。
Aさん)何が足りないんですか?
仕事をする
私)禅問答のようになってしまいますが、Aさんからは「業務(仕事)をする」ことばかり言っているように聞こえて、実際、仕事をしていく上での上司との関係性を創りあげるということがありません。
なのでAさんは、たぶんこんな風に仕事をして、説明できればいいやという部下目線でしか仕事をしないと思うんです。それって完璧じゃないですよね?
Aさん)・・・(うなづく)
私)だから上司から見たらどう思うのかって想像して欲しいんですよ。任せた仕事を完璧にこなすっていうのは、常に「ホウレンソウ」をするってことも含まれているんです。
Aさん)ホウレンソウ?
ホウレンソウ(←なんでも良いんです、笑)
私)そうですよ。ホウレンソウ。報告と連絡と相談です。言い方は何でもよいんですが、仕事の方向性があっているのか、どのくらいになるとこの上司は進捗を確認したいのか、いつまでにやると嬉しいのかとかです。
Aさん)そ、それってすんごい苦手なんです…笑
私)Aさん、マジでわらいごとじゃないですよ!笑、上司の立場になって仕事を完璧にするっていうことを意識しないと常に「やったつもりです」になっちゃいます。
Aさん)どうしたらよいんですか?
私)そうですね。一番良いのは、仕事を任されたときに、今任されている仕事とどっちを優先すればよいのかきくこと、どのタイミングで進捗をきけばよいのかをズバッと聞いちゃうと楽です。
Aさん)なるほど。やってみます。
・・・・
というような会話がおこなわれるわけです。
決してAさん、悪い人ではないんですが、いつも成果に結びつかない。
報告とか相談しないのですもの。
これじゃあ仕事はいつまでたってもできません。
みなさんの周りにもいると思いますが、「この勘違い」を修正してあげることから始めてみてはいかがですか?